出逢い 2 会社
私はあの不思議な体験から数年が経っていました。
私の子供への恐怖心はまだ少し残っていました。
私は32歳になっていました。
この頃になると某大手量販店を退職し、某大手電機メーカーで派遣の仕事をしていました。
この派遣の仕事もとてもやりがいのある仕事でした。
上司もとても良い人で私のやりたいように仕事をさせてくれたのです。
私はパソコンの技術もこの派遣の仕事を通して学んでいきました。
沢山の友達もできました。
とても充実した日々でした。
そんな時です。
同じ部署の伊藤健に出会ったのです。
健とは普段からとても良い関係でした。
いつもグループで飲み会がある時など一緒に参加していました。
机も隣り合わせだったり、真向いだったりしていつもお互いくだらない話などをしていたのです。
健は私よりも4歳も年下でした。
当時、私は年下の男性に興味はありませんでした。
健は恋愛対象にはなっていなかったのです。
ですが、健が自分の後輩の面倒を熱心にみている姿を見た時、私の中で何かが芽生えたのです。
「伊藤くん、やるじゃない」そう思ったのです。
私は段々と健のことが気になって行きました。
そして、会社の飲み会の帰りに健と私は二人で飲みに行くことになったのです。
会社の人は先に帰っていました。
二人だけで飲みに行くのは初めてでした。
そんな飲みにいった時のことです。
私達は地下にあるバーで飲んでいました。
健は強か酔っぱらっていて半分寝ていました。
もう時間も時間なので私は健を連れて店を出ることにしたのです。
地下から健を抱えて階段を上って地上にでました。
その時でした。
いきなり健が私にキスをしてきたのです。
私はウィンドショップのガラスのドアに押し付けられてキスをされたのでした。
私は別に嫌な気持ちではありませんでした。
「俺、都築さんのことが好きなんだもん」
健は子供のようにそう言ってくるのです。
「私も、伊藤くんのことが好きよ」
私はそう健に話しました。
この出来事がきっかけで私と健は付き合い始めたのです。
健はとても慎重でした。
社内メールなどは決して使いませんでした。
社内メールを使えばサーバー管理者に見られます。
そうなればすぐに私たちの関係が分かってしまうからでした。
健は私と会いたくなると、私に小さなメモに待ち合わせ場所を書いてそっと渡してくるようになりました。
こうして、私と健は密かに付き合っていったのです。
暫くすると、健は某大手電機メーカーを退職し、某大手外資系会社に転職したのです。
それを機に、私と健は同棲を始めました。
私たちは3LDKの広い部屋を借りました。
お互いの自室が持ちたくて広い部屋を借りたのです。
この同棲生活はとても楽しいものでした。
健の田舎は仙台でした。
健の田舎の友人家族たちと一緒に温泉旅行などにも行きました。
健の田舎の友人が私達のマンションに泊りに来たりもしていました。
健とはとても仲の良い友達に私は感じていました。
本当に健とは友達としては最高の相性の良さでした。
私はとても幸せでした。
この同棲生活は1年ほど続いたのです。
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