出逢い 1 夢
私は実家へと帰りました。
その頃、すでに私の父、悟は55歳の若さで他界していました。
実家には母のさゆりと弟の真一が住んでいました。
母は私が「実家に戻ってもいいか?」と聞くと「いいよ」と答えてくれました。
母は私がつらい思いをしているのを感じ取っていたのでしょう。
とても、ありがたいと感じたものです。
私は実家に越してきてから少ししてまた夢を見ました。
こんな夢でした。
卍の旗が見えました。
私は何か黒い色の制服を着ていました。
軍服のような洋服でした。
私は子供たちをどこかの部屋に連れて行っています。
そこには年老いた女性や幼い子供もいました。
たくさんの人が小さな部屋に押し込まれています。
そして私は扉を閉めたのです。
部屋の中から悲鳴に似た「たすけて!」と言う声が聞こえてきました。
たくさんの人の鳴き声も聞こえてきます。
私はその声を聞くことが苦痛でなりませんでした。
私はとある将校の部下でした。
上官の命令は絶対です。
でも、私はその将校に反抗していました。
「こんなこと正しくありません!!」
「部下の身分で何を言うか!!」
そう私は言われるとその上官から激しく殴られました。
私は胸が張り裂けそうでした。
「こんなことはしたくない!!」と思っていました。
でも、これ以上の反抗は無駄でした。
私は苦しみながらあるボタンを押しました。
そのボタンを押すと徐々に部屋の中からの声が聞こえなくなりました。
その声は暫くすると、完全に聞こえなくなりました。
その時分かったのです。
私は前世の光景を夢で見ているのだと思ったのです。
私は、第二次大戦のナチスドイツの将校の部下で名前はカールと言い年齢は25歳でした。
その私に命令していた将校は現世の義母で名前はアブラムと言いました。
私は将校の部下でした。
恋人もいました。
恋人の名前はメアリ25歳。現世は和也でした。
メアリの父はデニスと言う名前で、私カールとの結婚を身分が違うという理由で反対していました。
メアリの父デニスは現世で和也の父、晃でした。
メアリの父デニスと現世で義母であるアブラムは同じ将校でした。
和也は将校デニスの娘メアリだったのです。
私カールは、自分のしていることがとても許せませんでした。
大勢の罪もない人を私はガス室に送り込んでいました。
毎日、毎日私は「たすけて!」いう声に苦しみました。
私は激しく自分を責めました。
私は徐々に精神的におかしくなっていきました。
私は彼女であるメアリとの交際をやめる事にしました。
メアリを幸せにできないと感じたからでした。
私はひとりになりました。
私カールは責め苦から薬物とアルコールに走って行ったのです。
そして、私はその大量の薬物とアルコールが原因で死んだようでした。
私は気が付くととても優しい明るい光の中にいました。
それは慈愛に満ちた優しい光でした。
その光の中にいるととても心地よいのです。
私はそこで目が覚めました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます