出逢い 1 結婚

私は25歳になりました。

和也と付き合い始めて5年が過ぎていました。


私は某大手量販店でその時も働いていました。

和也は大学を卒業して私と同じ大型量販店に就職しました。


そして、私たちは25歳で結婚したのです。

結婚を機に、和也の父親は二世帯住宅を建てたのです。


その二世帯住宅はとても中途半端な建物でした。

お風呂とトイレとキッチンは1階と3階にあるのですが、玄関が1つでした。


完全な二世帯住宅ではなかったのです。


私は完全に玄関も別の二世帯住宅にしてしまえば、将来私達長男夫婦が出ていったときも賃貸として貸せるだろうに…と、思ったものです。


義父はとても考えの古い人だったのです。


私は舅、姑、小姑2人と生活することになりました。

ちょっと考えただけでも頭が痛くなるような感じがしたのです。


私の母もお姑さんで大変苦労したので、私のこともとても心配だったようです。


結婚してからでした。

あんなに子供が好きだった自分がとても子供を怖がるようになったのです。


そして、子供のことを考えると意味もなく涙が出て頬を伝い流れてくるのです。

どうしてなのか私自身もわからないままでした。


結婚して始めの1年間はとても穏やかに過ぎていきました。

義母も私にはとても優しく、毎日会社に通う私にお弁当などを持たせてもくれたのです。


問題は2年目からでした。


今まで、孫のことなど言わなかった義母が私にこう言ってきたのです。

「まだ、仕事は続けるの?」


私は仕事を辞める気はありませんでした。

「仕事は辞めません」


そう義母に答えました。

でも、その後でもしつこく義母は聞いてくるのです。


「子供はまだなの?和也とはやってることはやってるの?やってるならなぜ子供ができないの?」


私たちの夫婦関係にまで口出しをしてきたのです。

私は精神的におかしくなっていきました。


夜眠れなくなったのです。

そんな義母からも和也は子供のことを言われていたのでしょう。


私にも同じように言ってくるようになりました。

「俺の子供は欲しくないの?」


「そんなことはないわ」

「じゃ、なんで子供欲しくないわけ?」


「子供がとても怖いの…」

「なぜ、怖がるの?」


「わからない…」

こんな会話を和也としました。


本当に子供を怖がる自分が分からなかったのです。

そうしてゆくうちに、私たちはセックスレスになっていきました。


どうしても和也とセックスができなくなったのです。

お互いすれ違う日々が続きました。


尚も、義母は孫の話をしてくるのです。

義母だけでなく、義母の親戚からも言われるようになったのでした。


私はそれから逃げるように仕事に没頭し、仕事仲間と良く連れだって飲みにいくようになりました。


毎晩、帰りも遅くなり、帰ってくるのはいつも12時を回ったころでした。

そして、とうとう私と和也は離婚してしまったのです。


私は和也の家を出たのでした。

実家に戻ることにしたのです。


なぜ、子供のことを考えると意味もなく涙が出るのか。

それを知ったのは離婚してからでした。


私は31歳になっていました。


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