異世界の危険性

俺は今、唐突にピンチを向かえていた。忘れもしない、くっころ事件から早くも一週間が経ち穏やかな日々が続くと思ったら、、


(お金がねぇ。今月の給料日まだ先なのに後、数回しか夜の街に行くことしかできねぇ。あの後につい、ストレス発散で豪遊しちまった。)



幸いなことに騎士団員は無料で寮生活に住めることになっている。そのため普通に過ごすだけなら問題はない。俺のが元気すぎなければな!



(確かに前世では一生、元気に過ごしたいって願ったさ。風邪や疫病はきついしさ。ただ体の部分まで特定して元気にさせることはないだろうよ。そのおかげ様で夜は楽しませてもらってるけどよ)



取り敢えずダメ元でで兄さんに金を貸しして貰うように頼むために、俺はお金を借りに兄さんの家に向かった。兄さんは結婚しているため寮では過ごしていない。




騎士団の仕事ご終わり、太陽が沈みだした頃、兄さんの家の前で扉を叩こうか迷っていると、


「あら〜リトくんじゃない。今日はどうしたのクリスさんに用事があったのかしら。それとも私。」


後ろからおっとりとした聞き馴染みのある声に振り返る。


「ミサさんお久しぶりです。今日は兄さんに用事があってきました。」


ミサさんは兄さんの幼馴染でいつも良くしてもらっている。因みに俺の幼馴染でもある。昔からイチャイチャして俺だけ離れて見守っていた懐かしい光景を思い出す。


(兄さんだけいつも役得ポジションいるだよなぁ。俺も同世代の幼馴染欲しかったなぁ。いつも血涙流して見てたよ)


俺が思い出にふけっていると、


「クリスさんと同じ騎士団なのに話せないの?」


ミサさんは不思議そうに尋ねてくる。


「兄さんは丁度、今日盗賊退治で外に出てて会えませんでした。それに他の人には話せないことですして」


俺が質問に答えているとミサさんがほっぺを膨らませてこちらを見てくる。何もを分からない俺は首を傾げる。



「リトくん久しぶりだからって遠慮しすぎじゃない。昔みたいにミサ姉でいいのに。本当のお姉ちゃんにもなったんだしさ」


「分かったよ。ミサ姉」


兄さんの奥さんになった幼馴染に姉ちゃんって呼ぶのに照れてしまい少し空気が気まずくなった。その瞬間、急に後ろから殺気を感じた。咄嗟に剣を取り出し攻撃を受ける。


「リト、俺のミサに手を出そうとしてるのか。流石に兄弟と言えど許すことはできないぞ」


さっきの気まずい空気を見て何を勘違いしたのか知らないが俺を殺そうとする勢いでこちらに攻撃を仕掛けてくる。兄弟対決に見かねたミサ姉が止めにはいった。


「クリスさ〜ん、リトくんはあなたに話たいことがあって来てくれたらしいわよ。大丈夫、私はあなたが一番好きだから」


兄さんの方に近づき剣をはたき落とし口づけを交わしていた。それは段々と、入りこむ余地がないくらいの激しいキスに変わっていった。


(ミサ姉のおかげで殺されずに済んだけど。これはないよ。毎回3人でいた時はこれだから気が滅入るんだよなぁ。こうなったら落ち着くまで止まらないし)


兄さんたちの愛の巣が終わるまで静かに金を貸して貰う方法について考えることにした。




「ごめんなさい話たいことがあったらしいのに邪魔しちゃって私はお風呂入ってくるからその間に話しててね」


ミサ姉の申し訳なさとは反対に兄さんは不機嫌そうにしてる


「リトそれで俺たちの邪魔をするほどの話とはなんだ?よっぽど大事なことなんだろうな?」


兄さんの圧が強く、ふざけた雰囲気では話せないことが伝わり深刻な顔して


「兄さんこの際はっきり言うことにした。お金がなくなってピンチなんだ。だから少し貸してください。」


俺は先程、直球勝負で借りることを決めていた。俺の顔が余程本気に見えたのか兄さんもふざけることなく真剣な目をしながら話してきた。


「先週、給料日があったはずだが。この一週間でそんなに使うことなんてあったか?」


俺は嘘偽りなくしゃべることにした。


「俺が一人で盗賊倒したときに、色々あってストレスが溜まってたくさん散財しっちゃった」


俺は何で使ったのかを誤魔化すために下を出して気を紛らわさせる。


「確かにあのとき、一人行かせた俺にも責任はある。正直に何に使ったのかを教えてくれさえすれば貸すこともできるが」


それを聞いた俺は喜色な笑みをして兄さんにあの後に夜の街へ言ったことを報告した。忘れていたことは、その日俺が兄さんに盗賊達を押し付けてきたせいで兄さんが残業することになっていたことを。


「あの日、お前は俺に仕事を押し付けといて、お前は一人で楽しんでいたのか。しかもそのせいで、お金がなくなり俺に頼んでくるとは」


兄さんの口調が強くなり、俺は段々と冷や汗をかきはじめた。しかし、ここで折れてはどうしよもないため抗うことにした。


「始めに、兄さん達が押し付けてきた仕事だしきれいな奥さんがいる兄さんには俺の気持ちなんてわからないよ」


「そうだなだったらお前も誰かと添い遂げればいいじゃねぇかよ。そうしたらお金の関係はなくなるだろ。幸いお前の近くにはいい女の子達がいるしな」


(兄さんめ…そう言われたら何も言い返せないじゃないか。おれの回りの女の子とかやばい奴しかいないだろ。嫌味で言いやがって。)




結局、兄さんから一銭もらえずに追い出された。兄さんからお金を貸りれなかった俺は最終手段を使うことにし、今は寮に帰らずに最終手段の地へ向かっていった。



街頭から外れ路地に入っていくと複数の女性たちが路地を歩く人たちに話しかけている。


最終手段とは立ち◯ぼのことなのだ。この世界では売春の規制が娯楽が少ない分、日本と比べると大分緩くなっている。そのため、この国では立ち◯ぼは合法かされていてる。ただしお店とかと比べると管理ができていないため病気などを自己責任で負うリスクがある。あと何故か奇妙な噂があったりする。



俺には転生前に願った元気な体のおかげで病気とは無縁に過ごしているため立ち◯ぼは平気だ。なぜ立ち◯ぼではなくお店を選んでいるのかは、お店の方が管理されているため当たりが多く自分から見つけ出す手間が省けたりするのが理由だったりする。


路地で可愛い子がいないか探すこと数分、急に話しかけられてきた。


「お兄さんかっこいいね。私とどう?イケメンだから安くするよ」


話しかけてきた子に目を向けると、とても可愛い子がそこにはいた。ショートボブで身長は170はある感じで俺と数センチしか変らないように見えモデルのようなスラッとした体型でありながらも見える部分は引き締まった体をしている。


(かわいい〜しかも安くしてくれると言っていたしこの娘にしようかな。探したけど中々いい子いなかったしな。)


「じゃあお願いしようかな。俺もこんな可愛い子とできるなら本望だよ」


俺たちはそのまま、宿へと向かっていった。宿へ向かう最中で簡単に自己紹介などをした。


「私のことはエアと呼んでね。お兄さんの名前は偽名でもいいよ今日限りの関係だしさ」


騎士団として働いているためバレるのを恐れた俺はしっかりと偽名を使うことにした。因みにしっかりと普段とは色の違う鬘を被っている。


「俺のことはリヒトでもリヒトさんでもなんでも良いぞ」


お互いなんて呼ぶのかを決めホテルに入った。エアちゃんがシャワーを終えるのを待ち、バスタオルを纏ながら出てきて話しかけてくる。


「私、見られるの恥ずかしいから灯り暗くしていい?暗いのは慣れてるから私がリードしてあげる。」


(体を売っているのに見られるのが恥ずかしいこともあるんだなぁ。可愛い顔が見えないけどリードしてくれるならまぁいいか)


その後のことはとても気持ちよくさせてもらった。言わずもがなだが。しかし、彼女にとっての思惑はこれからだったのだ。


俺が余韻に浸っていると彼女が灯りをつけてくれる。


「エアちゃんありが…」


俺はその姿に絶句した。エアちゃんには男なら付いてるものがあった。しかも俺のよりも大きい。


俺が驚いてるところを見てしてやったり顔でみてくる。俺にとってのその顔は狂気にも見えた。


「やっぱりお兄さんみたいなお金に困って立ち◯ぼしてる人たちを騙すのは最高に楽しいや。まぁ私もそっちの気がないとできないけどね。」


エアちゃんは笑顔で中心に付いている凶器を見せつけながら近づいてくる。俺の体に鳥肌がたつのを感じる。そしてそのまま意識を失った。



日の光を浴び目を覚ますとそこには誰もいなく昨日の出来事が夢だったかのような気がした。机の上に置いてある便箋を見つけた。その内容を見て夢ではないことを突きつけられた。


「お兄さん昨日は楽しかったね。そっちの道にハマったならまた一緒来ようね。今回は虐めすぎちゃったしお代はタダにしておくよ。」


俺は手に持っていた便箋を握り潰しゴミ箱に放り投げ、ふて寝することにした。


「確かに今思えば女子にしては背が高くて、引き締まってるなぁって思ったけど。あの奇妙な噂、本当だったんだな女装して騙す男の娘が立ち◯ぼにいるって噂」


信じられない光景をみたせいで思わずため息が出た


「はぁ〜萎えた。トラウマのせいでお店以外できなくなったわ。こんな物理的に節約することは願ってなかったよ」


俺は新しい扉が開かれなかったことだけは良かったと思いそのまま目を閉じた。


その後のことは騎士団の朝礼を忘れしっかりと兄さんたちに搾られ、今月はトラウマから中々、夜の街へ行けずにストレスは溜まっていった。


(ストレス溜まるぐらいならこんなことしなけりゃよかった)

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