第?話 無題




 —————————————眠い。


 この光は————見覚えがある。

 

 …………いや、違う。眩しく輝いているけれど、これは

 


 こんなに見窄らしくない。

 こんなに浅ましくはない。

 こんなに嘆かわしい訳がない。

 


 これは何? 誰が騙っているの?

 この蝋燭の先にも劣るモノは何? 厚顔無恥も甚だしい。

 許せないわ。

 許せない。許せない。許せない。



 あの人は嵌まらない。

 あの人は殺されない。

 ただ目指すべき一天に、他の人は比べるべくもない。

 完璧で失態なく、遍く照らす無常の光なのよ。



 ……あぁ、思い出して来たわ。

 そうか。そうなのね。そうだったわ。

 どうやら少し早起きしすぎちゃったみたい。

 まだ少し眠りましょう。

 正しくあの人に会う為に。



 あぁ、愛しています。

 ————私の“希望”。

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