第18話
「「「お母さん(有美子さん)ちょっと、待って!」」」
私たち3人はそれにお母さんの持つポッ○レモン入りの牛乳気づいて止めようとしたのだが、無理だった。
またあの牛乳の犠牲者が、、、。そう思っていたのだが。
「んっ?みんなしてどうしたの?」
お母さんは普通に牛乳を飲みながらキョトンとした顔をしている。
「えっ?お母さん。それ飲んで平気なの?」
ポッ○レモンを入れた本人である夏葉が恐る恐ると言った感じでお母さんに問いかける。
「平気って何よ。酸っぱいなって思うぐらいで。何?何かしたの?」
「い、いえ。何もしていないです」
「いや、夏葉さっきぽっ○れもん?を入れたって言っておったじゃないか」
「「あっ」」
夏葉が何事もなかったことにしようとしたのに無意識にマリナちゃんがそれを阻止してしまう。夏葉はマリナちゃんを睨みつけるが、それ以上の雰囲気を放つ人がもう1人。
「ポッ○レモンを入れた?何でそんなことしたの?」
「っ!嫌がらせのためです、、、、」
「お母さん、前から言ってるよね。食べ物で遊ぶなって」
「うん」
「次からこんな事しない。って約束してもらいたいけど、この牛乳はお母さん嫌いじゃないからまた作って」
どうやら、お母さんはあの牛乳を気に入ったよう。私には無理だったけど、大人だからなのか疲れているからなのだろうか。その謎はまだ分かりそうにない。
「はい、これでお話終わり。ご飯の続きにしよう」
「ご馳走様様でした!」
「柚鈴もう食べ終わったの?」
「うん!とってもおいしかったよ。雪姉の作ってくれた料理」
「そう言ってくれると嬉しいな」
「柚鈴ちゃん、デザート買ってきたけど今、食べる?それともみんな食べ終わってから一緒に食べる?」
お母さんさっきから喋ってばっかりでほとんどご飯食べれてないな。まあ、私たちが言えたことじゃないけど。
「ありがとうございます。後からいただきます!」
「わかった」
柚鈴ちゃんはそう答えてから食器を流し場まで持っていってくれる。そして、食洗機に慣れた手つきで食器を入れてから戻ってきて自分の席に座り直した。
ジー
「柚鈴?そんな見られるとすっごく食べづらいんだけど」
ジー
「どうしたの?」
ジー
「ちょっと!」
「きゃー、夏葉が怒った〜」
「なに!?夏葉が怒っただと!」
「いや、マリナちゃんまでのらなくていいから」
「いやしかし、夏葉が怒ったら我はすぐに逃げないと」
「マリナ?私が怒ったら逃げるってどういうこと?」
「ひっ!」
蛇に睨まれたカエルみたいになってるし、マリナちゃん柚鈴ちゃんのノリを本気にしたようだ。今は本当のことに近いけど。
「マリナ、どういうこと?」
「私は、そういうところだと思うなぁ」
おい!原因を作った本人がいうな!私は盛大に心の中で柚鈴ちゃんにツッコむ。(しかし、口には出さない)
「ふふふっ」
「あれ?お母さん笑った?」
夏葉たちが言い合っているというのにそれをみてお母さんは笑ってた。
「いや、だってもう仲良くなってると思って。こんなふうに私がご飯食べるのも久しぶりだから嬉しくなっちゃって」
そんなお母さんの話を聞いて、夏葉とマリナちゃんの言い合いも落ち着く。
「ふぅ、まぁいいや。それで柚鈴は何で私みてたの?」
「早くデザート食べたいから、夏葉たちが食べ終わるの待ってたんだよ」
「気になっていたのだがデザートは何だ?」
柚鈴ちゃんたちの話を聞いてマリナちゃんが私に質問してくる。いや、異世界にもデザートっていう単語はあったはずだけどな。
「デザートっていうのはね。甘いお菓子みたいなもので食後に食べることもあるんだよ」
「それは我でも知っているのだ。そういうことじゃなくてデザートが何か聞いているのだ」
あぁ、そういうこと。私は自分の勘違いを少し恥じたのだった。
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『勇者は道端で倒れている魔王を発見した!』 雨琴 @amakoto
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