第15話
「まず、魔界はだな」
マリアちゃんは柚鈴ちゃんに聞かれたことを丁寧に1つずつ答えてあげるらしい。
「当たり前だが、こことは全然違う。まず魔法がある。あと人間以外がいる」
「えっ!人間以外がいるの?例えば?例えば?」
「これは魔界に限ったことじゃないが、人間族、獣人族、妖精族、魔族だな。妖精族は数が少なすぎるからほとんどいないも同然なのだが」
「へぇ〜。猫耳とかいるの?!」
「あぁ、猫に犬、熊に狐色々いるぞ」
「熊や狐もいるんだ!」
2人が生き物の名前で言うから側から聞いてると動物園の会話みたいに聞こえるから驚きだ。
「お姉ちゃん、私も手伝うよ」
「ありがとう。でも、柚鈴ちゃんと遊ばなくてもいいの?」
「うん。今はマリアに夢中みたい」
「柚鈴ちゃんとられて寂しい?」
「お姉ちゃん独り占めできて嬉しい」
えっ?なに、うちの妹可愛すぎない?すこし顔が赤い気がするのが心配だが、まさかあんな言葉が夏葉から出てくるとは思わなかった。
「えー!そうだったの?」
私が夏葉言葉の余韻に浸っていると、マリナちゃんから話を聞いていた柚鈴ちゃんが私のことを凝視してから聞いてきた。
「雪姉本当にマリナちゃんを刺したの?マリナちゃんを」
「う、うん。だって倒さないと世界が平和にならないって言われたんだもん」
「それもそうだけど、こんな可愛い子を刺すなんて。私なら考えられないよ!」
いや絶対あなたも同じ立場なら刺すと思うよ。
「柚鈴はいいやつなのだ。雪菜は何の慈悲もなく仲間と共に我を切り捨てたのに」
「いやいや、マリナちゃん側もちゃんと反撃してたよね。何なら、そっちの方が人数的にも多かったよね」
「な、何のことやら」
ちっ、こいつ。柚鈴ちゃんに私だけを悪者にしようとしやがって。そっちがそうくるなら私も、っと思ったのだが。
「次はマリナちゃんはオレンジジュース好きなの?」
柚鈴ちゃんの会話スキル?が発動して遮られてしまう。というか、多分本当に主軸となる話しか聞いてないな。
「うむ。昨日初めて飲んで好きになったのだ。色も味がわかってから見ると感じ方も変わっていい感じなのだ!」
「そー、良かったね〜」
「や、やめ、我の頭を撫でるではない」
「いゃ〜これで雪姉と同い年ってマジ?人?は見かけによらないね〜」
柚鈴ちゃんがマリナちゃんの頭を撫でながら、そう言う。うん。私もそう思う。何なら夏葉や柚鈴ちゃんと同い年って言われても疑うもん。
「お姉ちゃん。味噌汁できた?」
「あぁ、うん。出来たよ」
「わかった。こっちもできたからお味噌汁私よそうね。お姉ちゃんはお茶のコップとかご飯とかお願い」
「わかった」
「あと私もかまってよ、、、、」
「んっ?なんか言った?」
「言ってない!早く準備してよ」
夏葉に怒られちゃった。でも、仕方ないじゃん。背中向けた瞬間に何か聞こえた気がしたんだから。そりゃ聞き返すよ。
「マリナちゃん、柚鈴ちゃんご飯にするから手伝って」
「「わかった!」」
みんなで食器やお茶、ご飯を準備して席に着く。あれ?なんかマリナちゃんのお味噌汁だけ色違うくない?気のせいかな?みんな気づいてないし。
「「「「いただきます!」」」」
挨拶してから晩御飯を食べ始めた私たちだったが、やはり私目は正しかったらしく、、
「ずー、味噌汁もおい、、、んっ?、な、何だこれは!辛い!辛いぞ!口の中が!我の口の中が〜!」
味噌汁を啜ったマリナちゃんのそんな声が部屋に響いたのだった。
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