第7話
「「ご馳走様でした」」
「ごちそうさまでした?」
「これはご飯を食べ終わった後の挨拶。この料理を作ってくれた人や料理になってくれた生き物植物への感謝だよ」
「そうなのだな」
私たちはご飯を食べ終わり、食器を流し場まで持っていく。
「お姉ちゃん、お風呂先入る?」
「私、マリナちゃんと一緒に入るし長くなると思うから先入っていいよ」
「それなら、私も一緒に入る!」
「いやいや、3人で一緒は流石に狭いと思うけど」
「我は1人で入れるぞ」
「はい、さっきまで水道や冷蔵庫で驚いていた人は黙っててね〜」
「わ、我を子供扱いするな!」
「ふん、いいもん。お姉ちゃんがお風呂に入れてくれないんだったら、明日の朝ごはん作らず出るからね」
私は言い合いの中で夏葉の口から出た言葉に固まる。明日は土曜日、特に用事はなかったと思うが朝ごはんは食べたい。しかし、作りたくもない。
「分かった。3人で入ろう」
そう言ってわたしはお風呂の準備を始める。
「やった!」
「なんで喜んであるのだ?」
「べ、別に喜んでないし」
「2人とも何話してるの?」
「何でもないよ!」
「それならいいけど。夏葉、マリナちゃんに服貸してあげられない?私のだとちょっと大きいと思うし」
「分かった」
あれ?なんかすごく聞き分けがいいな。夏葉のことだからマリナちゃんに服貸すの嫌だと言うと言うと思ったのに。まぁ、なんだかんだ言ってそんなに嫌じゃないのかな。
私は自分の服を取ってきてマリナちゃんと最初にお風呂に向かう。
「夏葉!最初入ってるからね。一緒に入るなら急いでね」
「わかった!」
夏葉の元気な声を聞いてからマリナちゃんの服を脱がし始める。あれ?私こんな服着たことないからわかんないや。まぁ、どんな服でも上から引っ張れば問題ないか。
「痛い痛い痛い!ちょっ、何をする!我の大事な服を破る気か!」
「だって、脱がし方分かんないんだもん」
「だもん、じゃない!なら、なぜ我の服を脱がそうとしたのだ!」
「一人で脱げないかと」
私は正直に伝える。
「こんなの我一人で脱げるわ!一人で風呂は入れると最初にも言ったであろう!」
そう言ってすらするとドレスを脱いでいくマリナちゃん。少しするとそこには生まれたままの姿をしたマリナちゃんが立っていた。
「よく1人で脱げましたね〜。偉いでちゅね〜」
「だから、我を子供扱いするな!」
「ごめん、ごめん」
私は謝りながら視線を落とす。だってね〜。
「雪菜、どこを見ている!」
「お姉ちゃん、服持ってきたよ。って、マリナぺったんこだね」
「あっ、夏葉そんな直接的に」
「うわ〜ん。そう言う夏葉や雪菜だってそんなにないだろ〜」
「それは、、、、」
マリナちゃんの泣きながらの反抗に私はすこし言いどもる。しかし、夏葉は何事もなく服を脱ぎ始めて、、。
「あっ、ちょっ、夏葉!」
「な、な、何だ貴様その胸は!」
「貴様?」
「ひぃ!そんな事より胸だ。どこから錬成したのだ!?」
そうなのだ。うちの妹は見た目よりもデカい。いわゆる着痩せするタイプなのだ。何なら私よりもある。部活する分には邪魔になるけど女的には羨ましいよね。マリナちゃん見ても分かるけど。
「何言ってるの?もういいから早く入ろうよお姉ちゃん」
「はぁ、マリナちゃんも入ろっか」
「いやだから、その胸は!」
「マリナちゃん。無い物ねだりは虚しくなるだけだよ」
その言葉は言った自分にもブーメランとして心を抉ったのだった。
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