第16話 1.2.9 打ち合わせ②
俺は生物の勉強をしていた。参考書ルートは生物基礎黄色本→教科書→入門精講→基礎精講→エクセル→標準精講である。生物は暗記科目としての側面が大きい科目だ。暗記科目はただ丸暗記するのではなく理解することが重要だ。その方が頭に残るからだ。黄色本が解説が充実しており入門書にピッタリだ。教科書は全部暗記する勢いで読み込む。精講シリーズも解説が充実している。エクセルは網羅的な問題集で正直に言えば似たものだったらなんでもいい。
俺は理科では生物と化学を選択しようと考えている。物理と迷ったが生物の方が大学入学後の勉強で使うと聞いて生物を選んだ。
☆
「あ、光介君、おはよう」
七瀬カレンが俺に気づいたようだ。
「おはようございます、カレンさん」
「ふふ、今日もイケメンだね。カッコイイよ」
「ありがとうございます。カレンさんもかわいいですよ」
「そう?今日の私かわいい?かわいい?」
「はい、今日もベリーキュートだと思います」
「やったああ!!嬉しい!!」
「お二人随分仲良さそうに見えるんだけど……もしかして恋仲?」
「えっ!?あの七瀬カレンさんに恋人!?スキャンダル!?スキャンダルなの!?」
「違う違う」
「お二人とも誤解してますよ。お兄ちゃんと七瀬カレンさんは同じ事務所だから何度か会話を交わしたことがあるだけですよ。ですよね、お兄ちゃん?」
「ああ、そうだよ。俺たちにはやましいことなんてないよ」
「ま、光介君だったら付き合ってもいいっかなって思ってるけどね」
七瀬カレンがポロッと爆弾発言をする。
「ええええ!?やっぱりお二人は恋仲!?スキャンダル!?スキャンダルなの!?」
「ふん、庶民のゴシップには興味無いわ」
「お兄、どういうことなの!?いつの間にカレンちゃんに手を出してたの!?」
「いや、誤解だ。カレンさんがいつもみたいにからかってるだけだ」
「えー私は割と本気だったんだけど。ね、本当に私たち付き合わない?」
「ごめんなさい。俺には好きな
俺には直奈ちゃんと凪咲がいるからね。
「えーん。振られちゃったよう。えーん、えーん」
七瀬カレンが嘘泣きをした。俺から見ても明らかなほど嘘泣きだった。
「な……!?あの声優界の天使……いや女神である七瀬カレンさんを振った!?」
「でもお兄は二股してるけどね」
朱音が爆弾発言をする。
「ええええ!?お兄さん二股するクズ野郎だったのですか?なら三股すればいいじゃないですか!!あの七瀬カレンさんですよ。世界中の全人類を魅了する。私が男だったら代わって欲しいくらいですよ」
「ふん、二股するなんて下衆よ、下衆」
「だーっ!!ちょっとトイレ!!」
俺はトイレに逃げた。
打ち合わせの20分前。
「おはようございます。原田樹役天王寺麻衣です。今日はよろしくお願いします」
天王寺麻衣はポニーテールをした快活そうな美少女だった。
「はじめまして。神田涼奈役高坂琴音です。よろしくお願いします」
「はじめまして。神田絢奈役高坂朱音だよ。麻衣ちゃんよろしくね」
「はじめまして。上田佳奈役桐原冬湖です。今日1日よろしくお願いします」
「ふん。私は倉橋ルリ役水原天衣よ。よく覚えておきなさい、庶民」
「私は小泉詩音役七瀬カレンだよ。麻衣ちゃん一緒に楽しい現場にしようね」
「わわ、本物の七瀬カレンさんですか!?ファンです。サインください!!」
「え、本当?ふふ、私ってやっぱり人気者なんだ。後輩諸君、何か困ったことがあればこの七瀬カレンに相談してね」
そのとき七瀬カレンの頭にチョップがされる。
「こらカレン、先輩風を吹かさない」
「ふふ、私たちからしたらカレンちゃんも後輩なんだからね」
高嶋愛花役
「北条凛音役の優木レオナさんが来ていませんが時間になったので打ち合わせを始めようと思います」
スタッフがそうして説明を始めた。おいおい、初日から遅刻とは大型新人だな。
5分後。
「すいませーん。北条凛音役優木レオナです。目覚ましが故障で鳴らずに寝坊して慌てて走ったら転んでしまって電車も事故で遅れてしまいました。す、すいません」
優木レオナさんはどうやらドジっ子属性があるらしい。セミロングのハーフだろうか茶髪をしている。こうしてキミキセの主要メンバー全員が集まった。
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