第14話 1.2.7 結果発表

 俺は英文法の勉強をしていた。


 参考書ルートは世界一わかりやすい英文法・語法の特別講座(英文法黄色本)→Vision Quest→Vintageだ。


 それぞれ5周しようと考えている。


 Vision Questはいわゆる英文法の教科書であり正直言って何を使ってもいい。


 英文法黄色本は解説が丁寧で分かりやすかった。


 Vintageは英文法の網羅的な問題集だ。


 これも同じようなものだったら何を使ってもいい。


 ☆


 7月下旬。


 俺たちはキミキセのアイドル声優オーディションの結果発表を待っていた。


 最終選考の結果発表は特設サイトで大々的に行われる。


 正午。


 結果発表が知らされる時間だった。


「お兄ちゃん、いよいよ……いよいよですね」


「私、不安すぎて夜しか眠れなかったよー」


 俺はキミキセの特設サイトをクリックする。


 401サーバーエラーと出ていた。


「お兄ちゃん、これは……?」


「どうやらアクセス過多でサーバーがダウンしたらしい」


「お兄、どうすればいいの?」


「待つしかないだろう。しばらく待ってもう一度サイトを訪れるしかないだろう」


「そんな……うー、モヤモヤする!!」


 10分後。


 俺たちはもう一度特設サイトを訪れた。


 ー合格者発表ー

 上田佳奈役 桐原冬湖

 倉橋ルリ役 水原天衣

 原田樹はらだいつき天王寺麻衣てんのうじまい

 北条凜音ほうじょうりおん優木ゆうきレオナ

 神田涼奈役 高坂琴音

 神田絢奈役 高坂朱音


 俺は2度見した。

 神田涼奈役 高坂琴音

 神田絢奈役 高坂朱音


「や……やったああ!!合格だああ!!おめでとう2人とも!!」


 俺は自分のことのように喜んでいた。


「嬉しい……嬉しいです、お兄ちゃん」


 琴音は嬉しさのあまり泣いていた。


「いーよっしゃああ!!お兄、お祝いのハグだ!!」


 朱音は俺に抱きついてきた。


「あ、LINE来てる。冬湖ちゃんと天衣ちゃんからだ」


 朱音が俺から離れる。


『2人とも合格おめでとう!!2人のおかげで楽しいアイドル声優オーディションになったよ。ありがとう』


『ふん、高貴な私が合格するのは当然よ、当然。……で、でも2人とも合格おめでとう。べ、別に恥ずかしくなんてないんだからね!!』


 2人とも祝福してくれた。


「お兄ちゃん、これまでありがとうございました。この合格はお兄ちゃんのおかげです。本当にありがとうございます」


「お兄の支えがあったからこそ合格できたよ。本当にありがとう」


「ああ、どういたしまして。でも合格出来たのは2人の実力と努力の賜物だ。自信持っていいぞ」


 プルルル。電話が鳴った。


「もしもし、こちら星野プロ」


「もしもし。私よ京、京」


「京か。何の用だ?」


「社長として正式にアイドル声優となった琴音と朱音を祝福しようと思って。2人とも本当におめでとう。やっぱり光介、君をスカウトした私の目は間違っていなかったかな。君をスカウトした縁で2人を所属させられたわけだし。光介、引き続き2人のマネージャーとしてよろしくね」


「ああ、分かった」


「本当は私も直接言えたら良かったんだけど仕事で東京来てるからね。それじゃバイバイ」


 そこで電話が切られる。


「お兄ちゃん、誰からの電話だったんですか?」


「ああ、京からだ。2人ともおめでとうだってさ」


「京ちゃんも祝ってくれたんだ。嬉しいなあ」


 ☆


 それで俺たちは事務所から家に帰った。


 パンパンパーン。


 クラッカーが鳴った。直奈ちゃんと凪咲だった。


「2人とも合格おめでとう!!」


「2人とも本当にアイドル声優になるんだね!!有名になっちゃう?今のうちからサインもらっておこうかな!!」


「何かすごいね。2人があのキミキセのアイドル声優になるなんて!!」


「2人ともありがとうございます」


「直奈ちゃんも凪咲ちゃんもありがとね」


「今日はお祝いに寿司だ。回転寿司に行くぞー!!」


「「「「おー!!」」」」


 両親とユリシア姉からLINEが来ていた。


 3人とも自分のことのように喜んでおめでとうと祝ってくれた。


 ☆


 後日。


 七瀬カレンが仕事で関西にやって来ていた。


「2人とも最終選考突破おめでとう!!これで正式に私の後輩だね!!」


「ありがとうございます、カレンさん」


「テンキューカレンちゃん」


「でもまだ私たちの師弟関係は健在だからね。これからはより実戦的な指導をしていくよ」


「はい」


「はーい」


 3人は小一時間ほとんどアフレコや歌、ダンスの練習をしていた。


「……もう時間か。2人とも今日やったアフレコや歌、ダンスの復習を忘れずにね」


「はい」


「はーい」


 2人とも充実した時間になったようである。


 満足そうな顔をしていた。






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