第8話 1.2.1 教え子兼セフレ

 4月下旬。


 ユリシア姉のアタックは過激さを増していた。


 ある日のお風呂。


「光介、お湯加減はどう?」


「ちょうどいいと思う」


「……入るね」


 え?


 そして全裸のユリシア姉が入ってきた。


 もう一度言おう。


 全裸のユリシア姉が入ってきた!?


「ユリシア姉!? どどどどどうして入ってきたんだ!?」


「身体洗いあっこしようと思って。……小さい頃はよく一緒にお風呂に入ってたじゃない」


「いやいやいや、俺たちもう大きくなったんだぞ!?」


「まあまあ、姉弟の軽いスキンシップだよ」


 本当に背中を洗ってくれた。


 だが素直に洗ってくれるユリシア姉ではなかった。


 感触が柔らかいものに変わったのである。


「ユリシア姉!? 何で洗ってるんだ!?」


「……何って、おっぱいだよ」


 そう耳元に小声で囁かれる。


 めっちゃゾクッときた。


「前も洗ってあげようか」


「前は勘弁してくれ、頼むから」


「えー、男の子だったら役得でしょ。……じゃあ後ろから抱きつくみたいに洗ってあげる」


 そう言ってユリシア姉がギューと抱きついてきた。


 背中に胸が胸が当たってるんだが。


 ユリシア姉は俺の胸と腹を洗っていく。


 ユリシア姉の指が俺の乳首を通過した。


「ああっ……」


「光介、乳首感じるの?」


 そう言ってユリシア姉は俺の乳首を弄っていく。


「ちょっ……やめっ……」


「あはは、女の子みたいでかわいい」


 俺はその後、完全に女の子にされてしまった。


 さすがにヤらなかったが十分ヤバい状況だった。


 ☆


 ゴールデンウィーク明け。


 ユリシア姉は大学があるので東京に帰っていった。


 正直言うと安心した。


 身体洗いあっこは刺激が強すぎたのである。


「光介、好きです。付き合ってください」


 俺はある女子から告白されていた。


 咲宮麗華さきみやれいか


 陽キャグループに所属しており俺の友達である。


 いわゆる黒ギャルである。


 ボンキュッボンとしたダイナマイトボディーをしていて胸元を大胆に開いておりおまけにミニスカートでとてもエロい。


 正直に言うと男だったらヤリたくなるだろう。あとサイドテールをしている。


「ごめん……。無理だ……」


 俺には直奈ちゃんと凪咲がいるからね。


「何で……? 私、超尽くすよ。試しに付き合ってみようよ」


「いや……ごめん、無理だ」


「どうして……?」


 食い下がる麗華。


「俺には好きな人がいるんだ」


「……じゃあ、セフレになろ?」


 え?


「セフレになろ?」


 2度言った。


 いやいやいや、セフレっていろいろ段階飛ばし過ぎだろ。


「今から証明するね」


 そう言って俺の手をとり彼女の豊かな胸に押し当てた。


 幸せな感触が俺の手に広がる。


「な、何してるんだ、麗華!?」


「これが証明だよ。いつでもどこでも私の胸や尻に触ってOKだよ。これがセフレになるっていう私の覚悟」


 いつでもどこでも胸や尻に。


 男なら普段、妄想するシチュエーションであろう。


 だが現実になるとただただ困惑しかなかった。


「ええ……?」


 ☆


 麗華のセフレ宣言から数日後。


 俺は理事長に呼ばれ理事長室にいた。


「理事長、話って何ですか?」


「ああ、単刀直入に言うと君にはとある生徒の家庭教師をしてもらう」


「……ええ?自分の勉強で忙しいのですが」


 そう直奈ちゃんのシトラス症候群を治すため今は勉強しなければならないのだ。


 おまけにモデルもしていて時間が足りなかった。


 これでさらに家庭教師となると時間がさらになくなってしまう。


「その生徒なんだがこの生徒だ。おーい、入ってくれ」


 理事長室に1人の女子生徒が入ってくる。


「ええええ!? 麗華!?」


 そうその生徒とは先日セフレ宣言した麗華だった。


「君も知っての通り咲宮君は咲宮グループの社長令嬢だ。報酬もたっぷりあるぞ」


「報酬?」


「もし3年間、留年させずに卒業させたら50億円出すと先方は言っている」


「50億!?」


 そんな大金があったらシトラス症候群の研究資金にできるじゃないか。


「やります。……やらせてください」


「これからよろしくね、光介」


 こうして俺と麗華は家庭教師と教え子となるのだった。






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