第19話 炎の逮捕劇 <捌>
「サボリ先輩やー、ユリウス先輩がー、脅すからどんなに凄いのかなって思ってたんですけどねー。期待はずれですー。」
「こ、この小娘が!なんなんだお前の魔法は!?」
「私の固有魔法<
「ど、どうして!私の固有魔法<
「貴女はー魔力操作がお粗末過ぎますー。そんなんじゃー私の<崩れゆく箱庭>の前では存在を維持できませんよー?」
「私とお前でそんなに差があるものかー!何か種があるに決まってる!これでも喰らえー!」
「はぁー。固有魔法でもダメなのにー、いまさら中級や上級の魔法では時間稼ぎにもなりませんよー。降参しないようなのでーもういいですー。さよならー。」
「あああぁぁ!私の杖が!私の腕が!崩れて……」
「ロゼッタ!やり過ぎだ!崩壊を止めろ!」
「あーサボリ先輩ですー、早いですねー。
でもどうして止めるんですー?このお姉ーさんは帝国の敵ですー。」
「俺達の仕事は罪を裁く事じゃねえ!そういうのは国の司法機関に任せろ!とにかく余裕があるなら捕縛しろ!」
「ぶー、分かりましたよー。やっつけた方が手っ取り早いですのにー。」
ったく、どうしてこう血の気が多いかね。
だがマギアイストの実力者をこうも容易く倒すとはな。
まぁ、わざわざ痛い目に合わせる必要も無いな。
これからゆっくり指導していけばいいんだ。
(えーと、ユリウスの野郎はもう終わってこっちに向かってるな。
ロゼッタも捕縛が終わりそうだな、よしすぐに第二の援護……に)
なんだ!この悪寒は!俺の目が警報をならしてやがる!
どこだ!?あ、あそこだ!ロゼッタの所の空間が歪んで……えーい間に合うか!?
「ロゼッタ!避けろ!」
「ほえ?」
ちくしょう!ロゼッタは守れたが……!
「あら?急所を外してしまいましたか?」
「ああ、エヴァ様!!お助け下さい!」
「もちろんよ貴女を先に拠点に送るわ。そこで治療を受けなさい。」
「感謝致します!![跳魔]エヴァ様!」
「サボリ先輩ー痛いですー、どいて下さ………嗚呼あああぁ!目が!先輩の目が!!!!」
「ロゼッタ!落ち着け!お前は下がれ!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
クソ!ロゼッタはもうダメだ!パニクってやがる!
「ユリウス!早く来い!ロゼッタを連れて退け!」
「あら?逃がさないわ。何人もやってくれたわね、仇を取らなきゃ。」
目は見えなくても魔力感知でおおよその動きは分かる!舐めるな!
「目が見えないのにすごいわぁ。優秀なのね。でもいつまで待つかしら?」
こいつの言う通りだ。
こんなのは無駄に時間を引き延ばしているに過ぎない。
なにか打開策は……せめてロゼッタが使い物になれば。
「許さない許さない許さない許さない……
殺す殺す殺す殺す殺す……」
「ば、馬鹿!やめろロゼッタ!この階層にいる奴等全員死んでしまうぞ!」
ロゼッタが<崩れゆく箱庭>を全力で放とうとしてやがる!
味方に殺されるなんて冗談じゃねぇ!
「そこまでだよ、ロゼッタ・ミルフィーユ。眠っていてくれ。」
「ゆ、ユリウスか!?た、助かった!」
どうやらユリウスがロゼッタを気絶させたらしい。
いつの間にかロゼッタから放たれていた膨大な魔力が止んでいた。
「なにその娘?少し危険すぎやしないかしら?ちゃんと躾といてほしいわぁ。」
「すまないね、麗しの君。だけどどうやら原因は貴女にありそうだ。躾が必要なのは貴女の方かもしれないよ?」
「あら?言うじゃない坊や。少し遊んであげるわぁ。」
「サボリ巡査長。目の見えないところ申し訳ないがロゼッタを連れて離れてくれ。邪魔になりそうだ。」
「ああ、分かった!死ぬなよユリウス!」
ちくしょう!情けねぇが任せたぜユリウス!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます