第3話 友達と仕事と人助け
「おーい!クロちゃん聞いたぜ!今日も遅刻だってな! 」
急いで会社をとび出した俺を赤髪の高身長なイケメンが呼び止める。
「うるせぇよウェクトル。急いでるんだ、どいてくれ。」
こいつとは中等部から会社まで一緒とゆうなんとも腐れ縁なやつだ。
「おいおいそれにしたって遅刻しすぎだろ!
まだ学生気分が抜けないのか?それともどっか体調でもわるいのか?」
「いや……ただ単に寝不足でな、申し訳ないけど今は本当に急いでるんだ。小言は後にしてくれウェクトル。3番街のミッシェルさんの家に行かないといけないんだ。」
「ああミッシェルさんはお得意様だからな、
それにあそこの執事のレイモンドさんも恐いしな!いいざまだぜ!たっぷり怒られろ!
俺はこれから魔道具部門の注文でCランクの魔石を取りに行くんだ、帰ってきたら飯でも行こうぜ!」
「ああマリアさんの説教が早く終わるようならな!じゃあなウェクトル!気をつけろよ!」
ウェクトルと別れ急ぎ3番街を目指し走るも、このままではだいぶ待たせる事になってしまう。
今日はもう怒られる予定でいっぱいだ、これ以上は沢山だ。
ここが1番街だから地下魔鉄を二駅乗り継ぎだ、次の発射時刻まで10分、そのつぎは30分後だ。
とても待ってられない。
「飛んで行くしかないな。」
俺が持って生まれた能力の一つ飛行を持ってすればあっというまに着くが、誰かに見られるリスクもある。
「背に腹はかえられないな。念の為変装してから飛ぼう。」
誰もいない路地裏に素早く移動して変装のキーワードを唱える。
これは魔法じゃなく俺の能力の一つだ、とゆうか基本都市内では魔法を使えない。
使ったらダメとかあやふやな事では無く、魔法の行使を阻害する結界がこの帝都バラクーダを覆っているからだ。
「よし、いっきに3番街までぶっ飛びますか。」
周りの建物に影響が出ない勢いで上空へ飛び立ち、帝都の中心にそびえ立つ女神像の頭に着地する。
女神像の高さは東京タワーくらいといえばわかりやすいだろうか。
「相変わらずここからの景色は最高だなぁ!
えーとミッシェルさんの家はあの辺だな。ん?
あの火と煙……また火事か!」
なんて言う事だ!
深夜の火事からまだそんなに経っていないと言うのに!
そういえば1週間前に起きた火事が1番街から、昨日の深夜に起きたのが2番街、そして今日が3番街だ。
偶然…いや、まさか放火か?
だが1番街の火事はコンロ型魔道具の経年劣化による出火だと警魔隊から発表があったはず。
昨日のはまだ調査中だし…。
考えても分からないものは分からないな。
「吾輩がすぐに向かう…待っていろ。」
ヒーロー活動中の口調に変え、俺は煙の出所に向かって飛ぶ。
あっという間に火事の元まで辿り着く。
野次馬も火の勢いもだんだんと激しくなっていた。
まさか誰か取り残されている訳じゃないだろうな!
俺は能力の一つ[万能耳]を発動させる。
これはとても耳が良くなり、どんな音も聞き分ける力がある。
耳を澄ませると段々と野次馬の声が聞こえて来た。
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