第65話 最強勇者はお尻ぺんぺんをガードする
【強固防壁!】
俺はスキルを使って尻を守る。
これで母のお尻ぺんぺんを防ぐことができる。
母は鬼のような顔で俺のお尻をぺんぺんしてくる。
っく、気づけば登録者がまだ伸びている。
スマホのコメント欄を確認した。
――――――
:草
:ひどすぎwwww
:魔王を倒した勇者だってのに
:嫉妬やない。勇者と魔王の結婚は反対や!
:嫉妬や、結婚反対や!
――――――
……っく。荒れてやがる。
さっさとこの母を説得しなければ。
【母様、お願いです。ミルキスと俺の結婚を許して下さい!】
「うるさいわよ、ユシア! さっさとお尻ぺんぺんさせなさい!」
【一生のお願いです!】
「答えなさい、バカ息子! 貴方の目的は何!?」
【最高美少女を嫁に貰って……一生幸せに過ごしたいです】
「きえええええい!」
母は思いっきり魔力を込めて俺の尻を攻撃。
しかし、俺の尻はびくともしない。
「強固防壁」に守られてるからな。
母は舌打ちする。
「ユシア? 貴方何言ってるか分かってるの? 相手は……人類を百万人以上殺した魔王なのよ?」
【一目ぼれしました】
「立場を考えなさい! 貴方は勇者で彼女は魔王なのよ?」
【禁断の恋ってやつですよ】
「バカなの? 死ぬの?」
【俺に恩を少しでも感じてくれたなら許して下さい。俺が助けないと、貴方達全てを失ってたんですよ?】
「それとこれとは、話が違うわよ!」
母が激高する。
全く理解してくれないようだ。
やれやれ。
俺がため息をつくと、教皇が近づいてきて、
「その……勇者ユシア」
【?】
「私はお前の主張を認めようと思う」
その言葉には魔王軍と教皇軍、そして俺の両親も絶句している。
【本当、教皇!?】
「あぁ。君が守った人間社会だ。なんのお礼も返せないというのは論外だろう。だが……」
教皇は言いにくそうに咳払いする。
「本来だったら褒章として払う金や権力を相当に制限するかもしれない。それでもいいですか?」
【いいよ。ミルキスとかエルフは俺に全部頂戴。酷いことしないから】
「……貴方の世界は相当に博愛精神が進んでいたんですね」
【え? どうしてそう思うの?】
「……私たちは、やり返さずにはいられないからです。貴方は手ぬるい。エルフを絶滅させないと、気が済まないと思う奴の方が多い」
【怖いね、君達】
「そうでしょう? ですので、貴方が奴隷にしますと言ってくれた方がまだ我々としてはありがたいんですよ。表向きには魔王軍は勇者様の奴隷にするということを宣伝させていただきます。プロパガンダ、ですね」
教皇の顔は悲し気だった。
この男……もしかしたら善人なのかもな。
だが、この社会に悩んだ上で社会に合わせてそう。
為政者ってやつか。
見れば相当に疲れた顔をしている。
政治の才能も戦闘の才能もある奴だから大変だったんだろうな。
【分かった、それで構わない】
俺はミルキスを見る。
彼女がびくっと動く。
【ミルキス。そういうわけだ。結婚してくれ】
〚え、えぇ……〛
【どうする?】
彼女は困ったような顔をした。
……断られるのかな?
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