第63話 転生勇者、美少女魔王のおっぱいを吸って大勝利

 びくんびくん、と痙攣しながらエルフ魔王は倒れた。

 その乳首は柔らかく桃色のピンク色だった。


 すげえ母乳だった。

 シスター達や母よりずっと美味しく、濃厚な魔力。

 あれ以上素晴らしい飲食は一生味わうことがないだろう。

 ……馬鹿が、足りんわまるで。

 俺は……もっともっと彼女の母乳を吸いたいんだ!


 だが彼女は人類の敵に、魔王になっている。

 同情の余地はあるし、俺としては彼女のこと好きだから庇いたいという気持ちはつきない。

 ……こうなったら、結婚を申し込むしかない!

 俺と結婚して貰って……彼女を保護する!


【ミルキス】


〖何ですか、変態勇者〗


 ミルキスは涙目で言う。

 最初は勇者様って言ってたのに、今では変態勇者か。


【お願いがあるんだ】


〖死んでくれって言うんですね?〗


 ミルキスの頬に涙が伝う。


 その瞬間、魔王軍の奴らがやって来て、俺とミルキスの周りを取り囲み――彼等は俺に向かって土下座した。


〘お願いです、魔王様!〙

〘魔王様を許して下さい!〙

〘農奴でも性奴隷でも何でもやりますから〙

〘人間様にはもう、逆らいませんから!〙


 ……俺がスマホでコメント欄を確認すると、


――――――――――――

:奴隷欲しい

:いや、全員殺そう

:復興の労働力として利用してその後殺せばいいんじゃね?

:奴隷は大事だよ

:俺、弱者だから差別対象欲しかったんだよね

――――――――――――


 ……何てコメント欄だ。


 教皇軍の奴らがやって来て、小競り合いをしそうになる。

 その教皇軍の中央に、教皇がいた。


「勇者様。ご無事だったとは流石です」


【危なかったが、何とかなったよ】


「……では、魔王にとどめを刺されてはいかがでしょうか?」


 魔王軍の兵士達の目がぎょっとなる。


「魔王ミルキスの魔力がこれほど枯渇したのは稀です。私は自分の闘いを生き延びるので必死だったので見てなかったですが、勇者様も疲弊したのでしょう?」


【いや、力は有り余ってる】


 ミルキスの母乳を吸い尽くしたからな。


「ほう」


【教皇、お願いがある】


 教皇は一瞬押し黙った後、俺に恭しくお辞儀した。


「……何なりと。貴方は人類の英雄です。領土でも王権でも授けましょう」


【俺、ミルキスと結婚したい】


「は?」


【好きになったんだ、この子のこと】


 俺の言葉で、世界が静止したかと思うような静かな時間が訪れた。

 誰も話すことができない時間が二分。

 魔王軍さえ、「こいつ何言ってんの?」みたいな目を俺に向けてきてる。


 教皇が咳払いし、俺に質問。


「何と仰いましたか? その、きこえなかったのですが」


【ミルキスに惚れた。俺の妻として求婚したい。これを認めて欲しいんだよ】

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