第62話

〖いやぁああああ!〗


 俺の魔力が上がっていく。

 ……多分、魔力量がチャンネル登録者数で上がるという仕様だろう。

 この魔力を使って、俺は再度「強固防壁」を展開した。


〖もう、死ね! 勇者様……いや、スケベ勇者なんか死んじゃえ!〗


 殺しにかかってる癖に、よくもまぁ俺を批判できたものだよ。

 相手の命を取りに来たんならおっぱい吸われる覚悟くらいしてこい。

 俺はミルキスのおっぱいを吸っていく。


 !?

 な、何……ミルキスの乳首から母乳が少し出た。


〖や、止めてよぉ……〗


 ミルキスの顔が少し赤くなり、涙が出始める。


 良心が痛むぜ……。

 だがこれは仕方ない。

 俺が人類を救うには、もうこれしかないんだ!


 だけど世論が得られないならまずい……。

 俺はチラッとスマホのコメント欄を確認。


――――――――――――――

:羨まけしからん

:いいぞ、もっとやれ!

:最低

:女の敵!

:人類の希望

:ワロタ

――――――――――――――


 流石に、賛否両論のようだ。

 ミルキスはさらに強靱な力で俺を締め付けてくる。


 っく、やばい!


〖死ね、死ね死ね死ね! 変態勇者、死ね!〗


 ……こうなったら仕方ない。

 ほのぼの炎を出しても無駄に魔力を消費するだけ。

 ミルキスの技、「魔力吸穴(ドレインホロウ)」に対抗するには俺もミルキスから魔力を吸収するしかないんだ。


 俺は(戦闘)本能の赴くままにおっぱいをさらに吸った。

 これ以上無いほど美味しい母乳が出てくる。

 マジ美味!

 こんなに美味しいもの、初めて飲んだわ。

 エルフの母乳って美味いんだな……。

 いや、魔王だから美味いのか?

 どっちなんだろう。


〖いやぁああああああ!〗


 飲めば飲むほど元気になる。

 俺が赤ん坊だから当然か。

 腹が減っては戦はできぬ。

 これは高度な兵站戦なんだ(ッキリ)。


 この闘い、俺は命を狩られるかどうかの瀬戸際であって、これは決してやましい目的でやってるんじゃない。

 俺は脳内で自己弁護の限りを行いながら美少女エルフ魔王の母乳を吸いまくる。


〖死ね、死ね……お願いです。死んで下さいよぉ〗


 俺の頭にミルキスの涙が落ちる。

 今のところ、魔力を吸われる量より魔力を吸う量のが上だ。

 俺が母乳を吸うのを止めたら、人類の全てが殺戮されるだろう未来が待ってる。


 正義の為に、俺は目の前の美少女おっぱいを吸うしかないんだ。

 俺は正義の味方なんだ。

 ……ミルキスのおっぱい美味いな。

 結婚して欲しい。


〖最低! 変態! 狼藉者! あたしに向かって、何と言う辱めを……〗


【黙れ。俺は正義の味方だ】


〖ふざけんな! ただあたしのおっぱい吸ってるだけじゃない!〗


【俺がお前の母乳を吸わないと人類が皆殺しにされる。しょうがないだろ】


〖英雄面するなら手段を選びなよ!〗


【うるせえ、これは戦争だ! 勝てば生き長らえ、負ければ全て失うんだよ! 戦争犯罪するよりは相手の魔力を鹵獲する方が人道的だろうが!】


〖変態、変態! 変態勇者最低! だからって……あたしのおっぱい吸わないでよぉ!〗


 ミルキスは腕を振り解き、俺の傍から離脱しようとした。


【強固防壁! ほのぼの炎!】


 俺はミルキスの周囲に防壁を張り、離脱を阻止。

 さらに追撃を加える。


〖ほのぼの炎!〗


 ミルキスは俺に対して同じスキルの詠唱で返す。

 俺はミルキスの行動を読んでいた。

 先ほど、俺のほのぼの炎を全く同じ技で相殺した。


 俺はミルキスが逃げるのも、攻撃してくるのも防いだ。

 あとやることは一つだけだ。


【ごめんミルキス】


〖――〗


【いただきます!】


 俺は思いっきりミルキスのおっぱいを吸い始めた。

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