第34話 転生勇者、ドラゴン千体以上を一瞬で炎上させる

 黒龍が次々に十三本の支柱や天蓋にドラゴンブレスを吐いていく。

 しかし、ビクともしない。

 俺はニヤリと笑った。


【あらら、ドラゴンさん達……その程度の攻撃じゃびくともしませんよ】


〘くそがあああああ!〙


 黒龍達はキレた顔で、俺達に向かって突撃してくる。

 俺はスマホを掲げ、撮影した。


――――――――――――――――

:死ぬだろ、これええええ!

:速い!

:ドラゴンってすご!

:避けてえええええええ!

――――――――――――――――


 俺はちょっと恐怖した。

 音速を超えて動く戦闘機のようにドラゴン達は俺に体当たりしてきた。

 母にもぶつかる。

 しかし。


〘バカな……〙

〘全然効いてない!?〙

〘ダメージが、入らないだと!?〙

〘何が起こってるというんだ!?〙


 ドラゴン達は恐怖に駆られた顔で、俺と母を見る。


 母は溜息交じりに俺に向かって、


「ユシアは凄いわね」


【はい】


 なぜか母は苦笑した。


 俺はドラゴン達を見ながらスマホを操作する。

 ドラゴンをどうやるのが最適かな。

 数は……スマホを見る。


【ドラゴンの数:2031体】


 けっこういるな。

 俺はスマホに黒い魔力を込めて質問。


【何でこんなにいるの?】

《隠蔽スキルを使ってますね。透明化とかして奇襲をしかけてくるつもりだったのかと》

【成る程ね】


 スマホ搭載のAIって賢いな。大体応えてくれる。合ってるのかは分からないけど。

 透明化か。なら、参加者は可視化させないとな。

 俺はスマホを操作し、


【ほのぼの炎】


 スキルを発動した。

 すると、空の多くで炎上する飛行物体が多数浮かび上がった。


〘ぎゃあアアアアアア!〙

〘熱いいいいいいいい!〙

〘死ぬぅうう!〙

〘何これ、何これ、何これえええええ!〙


 こめた魔力はほんの僅かだったつもりだが、ドラゴン達の多くが消失してしまったようだ。


【何でこんなに燃えてしまったんだ? 魔力は少なめのはずなのに】

《魔力量は少なめにしても、先日の戦いでレベルアップして魔力が強くなってるんです。出力が上がったので》

【あ、あぁそうなのか】

《はい》


 なるほど。メ○ゾーマじゃなくてメ○ってことね。

 こんなにあっさり千体以上の龍が死んで、大丈夫かな?

 配信、盛り下がったりしないかな……と思ったら、


――――――――――――――――――――

:ドラゴンが……一撃!?

:えぇ……

:ま じ か よ

:これ、合成だよな?

――――――――――――――――――――


 視聴者数はどんどん増えてるし、コメントは溢れていってる。

 よし、残り数百体だけどこれなら何とか配信できるぞ!

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