第20話 スライムの数5000→200以下に

 スライムが爆発したのはどうやらかなり良かったらしい。登録者が一気に千人以上増えた。


〖うわあああ〗

〖仲間が爆発した〗

〖許せねえ!〗

〖人間を一匹残らず駆逐してやる!〗


 スライム達がキレる。

 そして、俺の母やパピルやブレイブを向いた。敵意むき出し、と言った感じだ。


――――――――――――――

ペペロン:スライム、こええええ

ツウィト:普段こんなこと考えてたのか

スパゲ:人間への悪意を感じる

モブデス:一匹残らず魔物を駆逐したいです

――――――――――――――


 母は199、パピルは38、ブレイブは77と言った数字が浮かんでいる。

 三人ともけっこう倒してるな。


〖あいつら……あんなに仲間を殺したのか〗

〖あいつらだけでもやっちまおう!〗

〖一斉にかかるぞ!〗

〖殺せえええええ!〗


――――――――――――――

ペペロン:これだけの数はやばい

スパゲ:セシルさん逃げてえええええ

ツウィト:可愛い子ちゃんも逃げてえええ!

インス:ついでにおっさんも逃げてええ!

――――――――――――――


 俺はほくそ笑む。

 スライム達が母達に襲いかかる様をスマホで撮影。

 すると、ぶよよんと母達はスライムを弾いた。


――――――――――――――

ペペロン:は?

スパゲ:な に が 起 こ っ た

カルボ:初カキコ。すげえ展開で草

モブデス:バリアとか魔王かよwwwww

――――――――――――――


 スライム達が一斉に母達にぶよよんと弾かれ、そのままのろっと起き上がった。


〖こ、攻撃が効かない!?〗

〖あ、あいつら……普通の人間よりもなんか硬くなってる〗

〖何かで護られてるんじゃ〗

〖どういうことだよ〗


 スライム達は動揺している。

 その動揺するまま、母が近づき――、


「はああああああ!」


 スライム達を殴りつけた。『一撃必殺』の加護がある母はスライム達を一瞬で殲滅。

 と、俺はここでスマホに魔力を込めて確認する。


【なぁ。あとスライム達はどのくらい生き残ってる?】

《あと200体いません》と返答。


 よしよし。

 これなら良いペースだ。

 何時間も配信したら多分飽きる人達いるだろうからな。

 それにプラハヤデは俺の地元だ。あまり傷ついて欲しくない。

 むしろ、迅速にスライム達を駆逐してやりたいぜ!


 すると、ppp、と警報音がスマホからした。俺は魔力をスマホに込める。

【どうした?】

《大量のスライムと強力な個体がこちらに向かってきます》

【何!?】


 スライムが何匹向かって来ようとも俺の敵では無い。

 しかし、問題はそうではない。

 これは撮影チャンスだ。

 だらだら配信をするのでなく、一掃シーンを映せたらいい感じになるかもしれない。


【好都合だな】

《マスターが負けることは無いでしょうが、警戒はされるべきかと》

【なぜだ?】

《殺試合(デスゲーム)発動時は負けないでしょう。しかし、発動してない時は……》

【俺が負ける、と?】

《はい》


 これは心外だな。

 今の俺は通常状態でも並みの魔物に負けないのでは無いかと言う実感がある。

 なぜか分からないが【殺試合(デスゲーム)】を発動する度に俺が強くなっていってる気がするのだ。

 だが、今はそんなことより配信だ。


 見れば、視聴者は五千人に迫っていた。俺はほくそ笑む。


【そんなことより収益化って出来るのか?】

《後で申請方法を教えるので、取りあえず危機を乗り切って下さい》

【ok】


――――――――――――

ペペロン:まさか魔王軍の最強斥候部隊スライム軍団が……

スパゲ:まるで相手になってねぇwwww

イカス:加護でも付与されてんのかな?

モブデス:こんなこと出来るなんて、配信者何者?

カルボ:もしかしてなんだけどさ。勇者?

――――――――――――


 俺が実況を付けようと思ったその時、空に巨大な魔力を感じた。

 俺が空を仰ぎ見ると、そこには魔法陣が設置され、大きな緑色の塊が現れた。

 まるで、湖が意思を持ったかのような存在。


【あれは……】

《マスター、気を付けて下さい。あれが……》


 俺は、そいつを睨む。

 通常のスライムとはサイズが違う。だが、間違いなくあれはスライムだった。


《スライムキングです》 

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