第19話 タイムアップに間に合わなかったスライムは……
俺はほくそ笑むこと、五分経過。
【お、あのスライムいいね~】
俺はスマホを両手で持って撮影。
スライム達が〖ごめんなさい。ごめんなさい〗と叫びながら仲間を殺していくのは圧巻である。
スライム達が殴り合い、捕食し合っている。
緑色の魔力が淀んでいるところを見ると、精神的にも体力的にも疲弊しているのだろう。
〖俺は仲間を殺さない。やってくれ!〗
〖ざっけんな他人の命より自分のが大事だ。仲間だとしても殺させて貰うぜ!〗
〖死にたくないよおおおおお!〗
〖ひいいいいいい!〗
スライム達も色々な感情があるようだ。ということは、人間側に協力してくれる奴がいてもおかしくないな。
俺が撮影すると、彼等の魔力を使ったテレパシーが音声と字幕が付いてスマホに映る。
高性能なiPhoneだな、おい。
――――――――――――
ペペロン:スライムwwwww
イカス:うっそ。あの強力な魔物が……
モブデス:スライムには家族を殺されたことあるから正直ざまあwwwww
ツウィト:ヤバいwwww何が起こってるのwwwww
――――――――――――
どうやらネットのコメントは大草原のようだ。
ウケてて何よりである。
あの巨体で魔力持ちってのは確かに強いんだろうなとスライム達を見て思う。
俺の殺試合(デスゲーム)の敵ではないけど。
お、そろそろ五分だ。
俺はスマホに魔力を吹き込み、【カウント機能】を選択。
スライムや母達の頭上に数字が浮かびあがる。
あるスライムは12と表示されるが、別のスライムは10だったりする。
そう、これは討伐回数だ。
デスゲーム参加者をどれだけ殺したかという数字がカウントされている。
あと二十秒で五分経つ。それまでに12匹を狩ってなかった奴は……死ぬ。
【はい、皆さん。あと五分でお待ちかねのタイムです! お、あそこに討伐回数まだ11匹のスライムがいますね?】
俺は弱々しく動いているスライムを映す。
――――――――――――――
ペペロン:あと一体か
モブデス:仲間殺せよwww普段人間殺してるみたいにさwww
ツウィト:そのまま死ねwww魔物嫌いなんだよwww
スパゲ:あと十秒!
――――――――――――――
スライムは慌てふためいてる。
〘た、助けて! まだ生きたいの!〙
【お、都合の良いこといいますね? まだ生きたいだってさ! 散々まだ生きたい人間の命を奪った癖に、よく言えたもんだね!】
スライムはあわあわと慌てふためき、粘体状の癖にずっこけた。
緑色は非常に淀んでいて魔力がもう殆ど残ってないのが分かる。
――――――――――――
モブデス:生 意 気 だ な
スパゲ:これだけ人間殺そうとしておいて言えることではないわ
ペペロン:テイムさえされて欲しくない
インス:魔王軍は人間を皆殺しにしようとしている癖に
――――――――――――
スライムの身体にドス黒い魔力が付着し、カウントをする。
5、4、3、2、1。
〖うわああああああああ!〗
ドカン、と軽く爆発した。
周りのスライムが悲鳴をあげる。
その瞬間、俺の視聴者が同接三千人を超えた。
登録者数を見ると五千人を超えている。
っしゃああああああ! ガッツポーズ!
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