〜企画の始まり〜

 次の日から、私が考えた企画が始動し始めた。いつもとは違い、他会社の人も来ている。やはり、緊張する。今記憶が飛んでしまいそうだ。そんなことを思っていたら、

「どうもこんにちは鬼流様。この度は素晴らしい企画を持ってきてくださりありがとうございます。企画の達成は、どんなものでも難しいのですが、私がサポートに徹しますので、安心して勧めて下さい。」

どこかの秘書か?

こんな喋り方を全く聞かないからなんか変な感じだ。進めろと言われても、経験がないから分からないんだが。あたふたしていると、メイドっぽい喋りの人がまた話し始めた。「あっ!すみません。企画を進めるのは初めてでしたね。これから説明をしていきます。まず、発表に使っていた原稿を見本に、えっと―あっこれです。この専用用紙に企画の内容をまとめてもらいます。文章の長さは、特に決まっておりませんので、企画の詳細を書いてもらえれば十分です。なにか質問はありますでしょうか。」十分と言っていたが、多分これが第一ステップなのだろう。「質問は特に…」とりあえずそう答えておいた。「それでは、専用の…あれ?すみません。専用のペンをおいてきてしまいました。取りに行ってきますので、この場所か、鬼流様の個別部屋にてお待ち下さい。」「ああ。分かった。気をつけて。個別の方で待っていることにするよ。」この会社は、メインルームとプライベートルームに分かれている。普段いつでも使用できる。いつでもと言っても、メインルームは、午後10時に戸締まりする。10時からは、自分の部屋で過ごすことができる。過ごすことができると言うか、10時からの勤務は、そこでしなければならない、ということだ。私は、あの子を待っていたが、何故か戻って来なかった。今日は、個室で過ごそう。そう思い、パソコンを開く。会社の同僚が今作業中の

ようだ。私は、職業病なのか、山ほどある間違いを見つけた。同僚は、体が弱い。だから、チャットの方で、「私がやるから、家に帰っていていいよ。」と打ち込み、「いいんですか?それではお言葉に甘えさせてもらいますね。ありがとうございます。」と、返事をもらい、作業を開始した。

12時になってしまった。眠気が私を襲う。最近、早めに寝ていたからな気がする。いつまでたっても、メイド口調の人は現れない。私がもう帰ってしまったと思っているのだろうか。まあ、日をまたいでまで来ることではないと思うし、寝るか。そうして私は眠りに落ちた。

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