〜つまらないいつも通り〜

会社についた。だが、通常業務がつまらなかった。いつもやっているから、一瞬で出来てしまったが、やはり、特別業務は来ることが無かった。また家に帰って来たが、いつものコーヒーを買うことは無かった。もう仕事を終えてしまったし、会社の企画でも考えてみるか。ほぼほぼやったことは無かったが、とても上手くできそうな気がした。そして、10時過ぎ。なんと、今までにないほどの大企画の原稿が完成したのだ。通る自信は無かったが、私が企画を発表したときに社員が皆驚くのは、期待できる。そんな妄想をしながら、次の日会社へ移動し始めた。

 会社についたぞ。今日は、会社でプレゼン説明会がある。このプレゼン説明会は、企画を持っていないと参加できない、ガチの大きなプレゼン説明会だ。まもなくそのプレゼンが始まり、応募順に発表を進めていく。しかし、司会者も、発表する人は、知らされておらず、カードをめくったとき、初めて全員が発表者を知る。緊張してきたな。ついにプレゼンがスタートした。私はおそらく最後だ。1人、10分の持ち時間を与えられる。その時間内ならどう使ってもよい。そう考えると、自分の番は、すぐに来るみたいだ。早速1人目が発表を終える。そして、2人目、3人目と発表を終わらせていく。そして、ずいぶんの時間がたっただろう。ついに私の番だ。前への呼び出しを待つ。

「それでは最後のプレゼン者様。名前をお呼びいたしますので、ステージ上へお上がりください。」

そして私のカードを取り、戸惑いながらこういった。「最後のプレゼン者様は…鬼流舜太…様…どうぞ…」私の名前が上がった途端、会場全体がざわついた。そして、呼ばれた私は、ステージへと歩んでいった。その時は、一瞬だった。もう、プレゼン説明が終了したのだ。終わるまで、驚きの雰囲気は続いていた。そして私は、ステージから降りた。ついに、最優秀企画が決定する。私は、皆の驚く顔が見えただけで、大満足だ。だから、別に落ちても悔しくはないだろう。さあ、発表だ。「今回の、他会社にも勧めたい最優秀企画は…」緊張の渦が漂う。皆の気持ちが高まってきた瞬間…「_鬼流様の、素晴らしい企画に決定です!」ザワザワザワザワ。周りが驚きを隠せずざわついている。しかし、1番驚いているのは、私であった。「鬼流様、前へどうぞ。」そう呼ばれ、前へ足を運ぶ。ステージの上に登ると、何故か『あいつ』のことを思い出した。すると突然我に帰り、表彰状をいつの間にかもっていた。しかし、もらった瞬間の記憶は一切ない。…これも、『あいつ』が原因なのだろうか。


その日の夜、家で久しぶりにいつものコーヒーを飲んだ。安心するなあ。なんだろう…そうか。『あいつ』と会ってから、このコーヒーを飲んでいなかったんだ。今日は、いつもの資料まとめがない。久しぶりにゆっくり夕食が食べられる。しかし、急に生活のリズムが整うわけもなく、結局11時過ぎまで、寝る気が無かった。今日は、注目されすぎて疲れたな。私は、歯磨きを終えると眠ってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る