第4.5話~憑依~

意識が移り草木を肌で感じ冷たい風に打たれる。腹部などが痛み身体が悲鳴をあげるがそれもまた肉体のない自分にとっては嬉しいことだった。しかしいつまでも横たわっているわけにはいかない。これでととめだといわんばかりに足で蹴飛ばそうとしてくる。ちょうどいい反撃のチャンスだ。

「死ねッ!弱虫野郎!!」

男が叫ぶ。もちろん本気で言ってるわけではないのだろう。しかし確実に大怪我をするような速さで足が顔面に当たる、、、かに思えた

「えっ?」

間抜けな声が聞こえる。足が顔面に当たらずに静止しているいや正確には手で受け止められている。

「これがそなたの本気か?」

そう言い放ちながら足を払いのけゆっくりと立ち上がる。余程予想外だったのか、払っただけでバランスを崩し尻もちをついている。周りの奴らは急に攻撃してきたのに驚き呆気にとられている。

「ほら。さっさと立ち上がって向かってくるのじゃ。つまらないじゃろう?それとも怖くて恐ろしくて立ち上がれぬのか?」

「くそ!一回転ばしたからって調子のってんじゃねえよ!」

挑発され顔を真っ赤にしてすぐさま向かってくる。体重と助走をつけた拳が飛んでくる、がしかし余裕をもってそれを避け。

「お返しじゃ!」

逆に相手の顎にアッパーを入れて軽く吹き飛ばす。まるで花火ように高く打ち上げられる。

「まあこれくらい運動神経の出力をちょいといじれば簡単にできるんじゃがの」

明らかに人間の力では無い物を見せつける。そして周りをみて宣言する。

「他にやってくるやつはいないのか?」

敵意の矛先が周囲の奴らに及び全員が引け腰になる。

「来ないのであれば、こちらからゆくぞ?」

「「「「うわあああああぁぁぁぁぁ」」」」

叫び声が森に響き渡り逃げ去っていく。

「なんとも間の抜けたやつらじゃのう。」

逃げて行った方向に向けて呟く。無様な顔をして気絶している男と主の手を見つめる。殴ったところや殴られてところが痛む。もうすぐ憑依した身体を戻すのだが名残惜しく感じてしまう。だってそれは




  なによりもかえがたい

             「生きる」

                   実感なのだから、、、



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どうも初めましてたこ焼き太郎と申します。今回は番外編として4.5話を書いたんですが、これからは主人公の視点ではない話はメインとは別のものとして投稿していきます。番外編としては文字数が多い気がしますけど気にしないでください。多分これからも不定期で投稿していきます。最後まで閲覧していただきありがとうございました。

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