第22話 弟子入りしました


 なんとも偶然という形にはなったが弟子入りできました、ミワンです。


 まさか本当に弟子入りできるとは思わなかったね。

 まぁ、おばあさん_師匠的には想定済みだった様子なんだけどさ。



「そういえば、自己紹介がまだだったさね。私はコルディというさね。まぁお前さんは師匠とでも呼べばいいさね」

「あ、わかりました師匠。僕はミワンです、気づいておられると思いますが機人族でアモルファスという種類です」

「改めて私も自己紹介しますね。ココメと申します。師匠の一番弟子やっております。よろしくお願いしますね弟弟子くん」

「はい、よろしくお願いします」


 長々と解説していただいた割にはお互い自己紹介してなかったんだよね、僕たち。

 そんなこんなで解説と自己紹介がおわった僕たち、師匠は奥の部屋のほうへ向かった。


「えっと、師匠はどこへむかったのでしょうか?」

「あ、ミワンさんも奥へ向かって大丈夫ですよ。恐らく師匠はさっそく講義を行おうとしているんだと思いますよ」

「......あ、いきなりなんですね」

「師匠って決まったらすぐに動いちゃうんですよね.....。って、もしかしてこの後予定があったとかですか?そうしましたら師匠のほうにはお断り入れておきますが.....」

「あ、いえ。大丈夫です.....無理に希望したんですけど一点聞きそびれたんですが大丈夫でしょうかね」

「あ、私でも応えられたら今答えますけど」

「多分大丈夫だと思いますが.....僕、道場にも入門してしまっているのですが大丈夫でしょうか?」

「あ、そうなんですね。.....大丈夫ですよ。もともと、私も冒険ギルドで掛け持ちして活動していたこともありましたので。むしろ師匠からしたら外での見聞をひろげるというのも大事にされている方ですので」


 あ、そうなんだ。理解のある師匠でよかった気がする。

 .....というか、ココメさんは冒険ギルドに所属していたのか。



「それならよかったです」

「まぁ、お時間に問題なければ奥へ行きましょうか。師匠も首を長くし始めているところでしょうし」

「あ、わかりました」



 そんなところで僕とココメさんも師匠が待っている奥の部屋へ向かうのであった。




 ......そういえば、ココメさんのランクはDランクらしい。

 森人族で年月が長いからと言っていたけど.....そういうもんなのかな?








 師匠のもとへ向かうと、色々と準備をしていた師匠がいた。


「ほっほっほっほ、話は済んだかね?」

「あ、はい。お待たせして申し訳ございません」

「良い良い、弟子同士の親交が深まることには一向にかまわんさね。.....さてとさっそく講義に入るとしようさね。ココメは復習になるがいいさね.....いや、せっかくだ。ココメがミワンに指導するといいさね」

「.....え!?私がですか!?師匠!」

「ほっほっほっほ、ちょうどいい機会さね。ここの性質上弟子なんてできるほうが稀さね。こういった機会がないとココメも成長ができんさね。ミワンも良いさね?」


 あらら、なんか色々と言われていますけど......。僕は大丈夫だけど.....ココメさん大丈夫かな?


「僕は教わる身ですので、文句はありませんよ」

「良い良い、それでココメはどうするんさね?」

「.....やります、やらせていただきます!ここのところ伸び悩んでいましたのでミワンさんがよろしいとのことですので準備させていただきますね!」



 なんか、すごい目をキラキラさせながら準備を進めていくココメさん。



「いったい何のつもりですか?師匠」

「ほっ、何もないさね。ココメには彼女自身の成長のため、お前さんにはココメとの交流とともに魔素術の何たるかを知ってもらうだけさね」

「まぁ、僕にとっては基礎のことは師匠もココメさんでも教わること自体はどちらでも問題ないですもんね」

「そういうことさね。さて、私は店番でもしていようさね。あとは、お二人でゆっくりさね」



 そういうと師匠は外へ出た。

 .....あの人、外へ出てもここ来る人が稀とか言っていたのに暇するだけじゃないのかな?あと、ここにはいった意味あったのかな?



「......よしっ!これで準備はいいかな?......うん、じゃあミワンさんもこちらに座ってくださいね。さっそく講義のほうへ入っていきますね!」


 うわぁ、すっごいウキウキしていませんかね。ココメさん。


「あ、はいわかりました。ココメさん」

「......さん」

「はい?」

「ココメさんはちょっと......一応姉弟子で指導する立場ですので.....」


 あー、なるほど?

 この人後輩できるのがこれが初めてなんだろうね......。

 まぁ、全然いいんだけどさ。


「それぐらいでしたら.....全然いいですよココメ先輩」

「せ、先輩.....!」

「あ、それならココメ先輩もせめて僕に敬語使うのはやめてくださいね。さすがに弟弟子に対して敬語ってどうなんでしょう?」

「え、あ。そ、それもそうです.....そうだね。.....うん、ミワン君さっそく講義のほうを始めるよ!」




 すっごい嬉しそうなココメさん_ココメ先輩のもと魔素術の講義が始まったのであった。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る