第18話 とりあえず入門


「......色々と質問しただろうが、まずはここ凪拳蹴撃流の理念についてから説明しよう」

「あ、お願いします」


 いよいよ、この道場の理念ついてわかるんですね.....。


「まず先の戦闘でわかっていると思うが、凪拳蹴撃流は徒手空拳の流派の1つだ。お前たち来訪者の言葉でわかりやすいのは格闘術の一種とでも思えばいい」

「は、はぁそれはわかりやすいですが」


 まぁ、それに関しては先ほどの戦闘である程度分かっていたことだ。スキルの獲得もあったことだし当然格闘術に関するところなのはわかっていたところだ。

 だけど、凪拳蹴撃流なんてものは知らないし.....使っている人はいるのかな?


「まぁ、お前たち来訪者は独学というかある種の才能で基礎的なところは次第に覚えていくだろうが、本来ならば武術というものには様々な派生.....つまりは流派が発生する。先人たちが継承していくものだからな。そのため、基礎的なところはまだしもその発展は来訪者たちにはそれぞれ時間がかかるものだろう」


 確かに、言われてみればそうかもしれない。

 僕たちのような来訪者は武術に対して何も知らない人のほうが多いイメージがある。


 だから、スキルの感覚に身をゆだねる。そうして最適な動きに合わせられる.....これがこの世界におけるスキルの適性だと感じる。


 だからなのかな、レンネさんとの戦闘では僕だけの動きだけで足技を捌くことができていたという結果自体が現地人が己が感覚で動かしているという証拠なのかもしれない。おそらくこの世界の人たちはスキルはあくまで補助のため、さらになる威力向上などが含まれているのかもしれないね。



「長考しているようだが、理解はできたか」

「......さっきの戦いのおかげでしょうか、なんとなく理解できるようになりました。つまりは来訪者と現地人の差があり、その差はヴァットさんのレベルまでいくとより明確になる感じでしょうか?」

「そうだ、単純な強さなら負けるような相手でも技で如何にいなし一撃を叩きこむ。これが格上の戦いとなる。特に我ら徒手空拳を扱う者ならなおさらだ」

「なるほど、理解しました」

「では次に我らの流派について説明しよう」


「名は凪拳蹴撃りゅうけんとげき流という。名は体を成すというが、これも例外ではない。凪のごとく柔の拳による捌き、敵の制空権を奪い蹴りによる撃を叩きこむ。蹴り主体であるもの、全体的な格闘術となっている」

「蹴り主体ですか」

「あぁ、お前が最後の手さばきはまさしく凪拳の一部に近い。うまく盗んだものだ」

「あ、あぁいうのですね」


 意外にも一部分であるものの、この流派の動きができていたのね......だから称号に(仮)ではあるものの称号がついていたのか。

 納得です。


「そういうことだ。お前にやる気があるのなら入門を許可する」

「ちなみに、先ほどまでは入会と言っていましたが何か違うんですか?」

「それについては私のほうから説明するわ」


 と、レンネさんが話す。


 どうやら、ここでは本格的に凪拳蹴撃流として学ぶ他にも現地人向けに行っている基礎的な講習があるようだ。

 いわゆるヨガや太極拳のような本当に初心者向けの講習と考えればいいらしい。そこでも格闘術の基礎的なものは学べるがそれでは来訪者が生まれ持った才能_スキルと変わりないらしい。



 そういうことなら選ぶのは1つしかないよね。

 掛け持ちも別にいいらしいし、せっかくの機会なんだ......。



「.....入門させていただきます。よろしくお願いしますヴァットさん」

「あぁ、だがこれからは師範代と呼ぶように」

「はい!」



 ということで、僕はヴァットさん_こと師範代のもと凪拳蹴撃流の教えを受けることとなった。





 まぁ、今日はレンネさんとの戦闘が過激でしたので翌日以降からということになった。僕はそのまま道場を後にして、さらに街を散歩することにした。




 街をのんびりと歩きながらステータスを確認する。


 先ほどの戦闘も相まって決着自体はついていないもののレベルが上がっている。確か格上との戦闘でもレベルは上がることがあるって言ってたっけ?

 .....ということはレンネさんも手加減してたってことだよね、どんだけなんですかあのお二方は.....。



 まぁ、とりあえずなんとなくでステータスをいじっておこう。

 .....そろそろ新しいフォルムも考えないとね、数が有り余っちゃってももったいないしなぁ。


 .....あ、いいこと思いついたかも?

 でも、こんな街中でやることでもないかな?もうちょっと落ち着いてからやってみることにしようかな。



 ある程度ステータスをいじりおわり、辺りを見渡すと











「ここどこだろう?」

「......いらっさい」





 なんか、おばあさん出てきましたけど?







 名前:ミワン(機人族・アモルファス★ フォルム:【ウルフ】)

 所属:〖〗

 レベル:12 SP:10→0

 職業:模倣者

 HP:380/380

 MP:620/620

 STR:45 【50→55】

 VIT:26→36 【15】

 AGI:48 【120→125】

 DEX:60 【35】

 INT:46 【5】


 AP:4

 スキル

 ・形状操作70・形状維持40・高速操作2・ストック3(人間・ウルフ・○○・○○・○○)・機力変換5・増殖2


 ・模倣12・反復15・+情報処理2


 ・魔力感知50・魔力操作63

 ・剣術1・格闘術9

 ・索敵25・観察25・同化4・不動19・彩色4・索敵4・疾走1・身体強化3・回避2

 


 ・脆弱:水20

 ・言語理解2


 称号

 ・不定形・ユニーク

 ・優柔不断

 ・凪拳蹴撃流(仮)

 ・冒険ギルドK級

 ・来訪者


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