第10話 冒険ギルド


 ファストの街へ着いた僕は、ラキと一緒に冒険ギルドへ向かった。


 道中街並みを見てみると、中世ヨーロッパのようなレンガ調の景観がみられる。


「ねぇラキ。この世界って中世ヨーロッパをベースにしているのかな?」

「あー、それなんだけどな。情報を見ている限りだとかなり交雑しているみたいだぞ?」

「あ、そうなの?」

「おう、姉貴のところだと似たようなところらしいんだけどな、ベースは森林の中らしい。しかも掲示板を見ている限りだが、近未来感のある世界や古代都市、和風の街や暗黒調な街とか本当に千差万別らしいぞ」


 へぇ、独自の進化があるっていってたけどかなり差があるんだな。


「すくなくとも、この近辺は似たような感じらしいからな。恐らくだけど姉貴とは全体から見て割と近いほうなのかもしれないぞ」

「へぇ、シュナンさんとはそのうち会えそうだね」

「あぁ、だと思うぜ?」


 そんなことを話していると目の前には剣と杖のエンブレムが目立つ建物がそこにはあった。


「あ、ここだぜ。冒険ギルド」

「だろうね、わっかりやすいね」

「おう、俺はクエストボードのほうに仲間がいるっぽいからそっちいってるわ。ミワンはとっとと登録して来いよ」

「ん、了解」


 そういい、僕とラキは一度離れる。


 僕は、受付のところにむかった。


「いらっしゃいませ、本日はどうなさいましたか?」

「あ、冒険ギルドに加入したいのですが」

「あぁ、加入ですね。説明は必要ですか?」

「はい、お願いします」

「かしこまりました、ではお先にこちらの用紙にご記入のもと後ほど検問時におこなった犯罪履歴などを測らせていただきます」


 というと、受付嬢の方からいただいた用紙に自分のことを書いていく。

 .....とはいっても自分の名前と種族、あとは職業程度しか書かなくていいみたい。まぁ、ステータスそのものを書く必要がない分楽でいいね。


 で、一緒に検問時におこなった確認を行い、前回と同じ結果となった。



「はい、こちらで確認させていただきました。では発行する間に冒険ギルドについてのご説明をさせていただきます」

「お願いします」



 受付嬢の話によると


 冒険ギルドは組合の総合的な部分を担っているらしく、広く浅く様々なものを取り扱っているようだ。

 そのため、基本掛け持ち前提にはなっているらしい。


 さらに冒険ギルドではクエストの達成率やギルド貢献度によって、自身のギルド階級をあげることができる。


 下から順にK→J→I→H→G→F→E→D→C→B→A→S→SS→SSS→EX


 となっている。

 まぁ、上の3つはもはや名前だけとなっているらしい。


 普通に数が多すぎるんですが.....差別化?あぁ、なるほど。


 あとは、ギルド内ではクエストの受注や斡旋、ドロップアイテムの換金や初心者講座を無数に展開し、状況によっては道場などの教育の場を用意してくれているらしい。


 この話は結構気になるな。多分というか僕の職業としては学べる機会があったほうがかなりよさそうだもんね。


 そんなことを考えていると


「はい、お待たせいたしました。こちらがギルドカードとなります。一応登録料金として100Gいただくんですが、ミワンさんは仮の証明書あるのでそちらをいただき無料で登録させていただきますね」

「はい、お願いしますね」


 ギルドカードをもらって、称号のところを確認すると【冒険ギルドK級】と記載されている。


「.....はい、ではこちらで以上となります。ではこれからよろしくお願いいたしますね、初心者講座はどうされますか?」

「あー、これって今度でも可能ですか?いま連れが待っているんですけど」

「えぇ、いつでも大丈夫ですよ。こちらのほうで聞いてくださればすぐにご案内させていただきますよ」

「じゃあ、それでお願いします」

「一応料金をいただいておりますのでご了承ください」

「わかりました、準備しておきますね」


 受付嬢とのやり取りを終え、先ほど説明を受けたクエストボードのほうへ向かう。

 確か、ラキもパーティと一緒にいるんだよね。ってか、パーティってどうやって組むんだろ?.....まぁいいか、あとで教えてもらおう。



 クエストボードのほうへ向かうと、ラキを含め5人の集団がいた。

 僕のほうを確認すると、ラキはこちらのほうへ向かってきた。


「おう、ミワン。無事に加入することができたな。紹介するぜ、これが俺たちのパーティ『比翼』だ」


 そういうと、4人が僕の前にきた。


「はじめまして、フューよ。森人族の魔法使いをやっているわ」

「どうも、さだまさだ。鉱人族のタンク兼鍛冶師を目指している」

「はーい、私はAHATO、魔人族の魔法格闘者をやっているの」

「で、自分は颯です。人族の神官を務めております」


「あ、どうも。僕はミワンです。機人族やっています」

「とまぁ、こいつのことはいろいろ特殊な奴でな.....今回だけ一緒にやろうとは言っているがいいか?」

「まぁ、ラキがそういうことはたぶんいつもの子よね?それぐらいなら歓迎よ」

「ですね。でも機人族ですか......僕らの中では選んでいない分少し気になりますね」


 4人は僕のことをまじまじと観察する。


「まぁ、いいじゃねぇか。それよりも今さっき登録したんだろ?うまく戦えんのか?」

「まぁ、そこらへんは俺の顔に免じてくれよ。しいていうなら、奇抜な存在だと言えるぜ」


 確かに、今のところ僕だけだもんね.....。


「ほう、それは面白そうだな」

「あぁ、だからそこを含めて一緒にやっていこうぜ」

「.....皆さんがよろしければ、今回よろしくお願いします」

『はい(おう)』



 ということで僕はラキたちのパーティ『比翼』とともにクエストを行うこととなったのだった。




 名前:ミワン(機人族・アモルファス★ フォルム:人間)

 所属:〖〗

 レベル:3→5 SP:10→0

 職業:模倣者

 HP:200/200

 MP:350/550

 STR:27→30

 VIT:20

 AGI:35→40

 DEX:50

 INT:45→47


 AP:2

 スキル

 ・形状操作59・形状維持36・ストック2(人間・○○・○○・○○)


 ・模倣1・反復4


 ・魔力感知47・魔力操作58・索敵21・観察12・同化3・不動17・彩色3


 ・脆弱:水20

 ・言語理解2


 称号

 ・不定形・ユニーク


 ・優柔不断


 ・冒険ギルドK級

 ・来訪者


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