第9話 ファストにて


 ひとまず、街へ着いたことだし......ラキとシュナンさんに返答しておこうかな。


『遅くなってごめん、僕のほうも無事街についたよ。ちなみに僕はミワンでやっているよ。あとファストという街についたよ、多分だけどラキがいるところと一緒なんだと思う』


 とチャットを行うとすぐに返信がきた。どうやらラキからのようだ。


『お、まじかっていうことは最初草原からのスポーンか?ファスト入ってすぐに青い噴水がある広場が見えると思うんだが、どうだ?』


 確かに、目の前に見えるのはラキの言う通り広場があり、青色の噴水が見える。


『確かにあるね、じゃあラキと一緒の場所にスポーンしたんだと思うよ。僕は噴水のほうにいる、黒銀の髪だよ』


 そんな応対をしていると


「よう、ミワン。すぐ見つけれたぜ」

「.....もしかしなくても、ラキ?だよね」

「おう、にしてもなんでそんな髪色なんだよ。キャラメイクでもしたんか?」

「いや、キャラメイクはそんなにしてないよ?種族の問題なんだと思う」


 そんな会話をしながらラキの姿を確認する。

 どうやらさっきも話していたが人族のようで背中に大きな大剣を背負っているところを見ると剣士なのだろうと考えられる。


「は?種族、お前一体何にしたんだ?」

「んー、話せば長くなるんだけど.....ステータスを見たほうが早いかも」


 そういいながら僕はステータスを見せようとするが、


「いや、ちょっと待てステータス開示はここでおこなうべきではないな。ちょっと離れたところに個室付きのカフェがあるんだ、そこで話そう」

「カフェねぇ.....僕まだ金持ってないんだけど」

「あぁ、確か今来たばっかりだもんな。いいぜ、奢ってやるよ。ついてきな」


 そういうとラキは先行してカフェへ向かっていくようだ。

 僕もその後ろをついていく。










 カフェにて

「で、だ。ミワンの種族ってなんだ?ステータスの開示はあんまり控えたほうがいいんだけどな」

「ラキにはいいよ別に、というよりも他の人のステータスを確認したいところなんだよね」

「じゃあいいか、それぞれ開示と行こうか、ほれ」

「あ、うん」


 そういい、互いのステータスを確認する。


 僕のは検問前と変わりないので、ラキのステータスを確認する。


 名前:ラキ(人族)

 所属:〖〗

 レベル:13 SP:0

 職業:大剣士

 HP:400/400

 MP:100/100

 STR:72

 VIT:58

 AGI:27

 DEX:25

 INT:21


 AP:0

 スキル

 ・剣術21・大剣19・格闘術12・挑発10・不屈12・連携5・身体強化5


 ・言語理解3


 称号

 ・冒険ギルドJ級

 ・来訪者


 オプション


 7,000G



 なるほど、タンク型のアタッカーなのかな。

 にしてもあれだよね。


「僕よりもレベル高いのにスキルのほうは僕より低いのか」


 そんなことを考えていると


「おいおいおいおい!これなんだよ!」

「やっぱそうだよねぇ」

「あぁ、俺らパーティメンツはは早くやりたいから人族や森人族、あとは魔人族を選んでたが機人族って......しかも★は何だ、これ」

「うん、ランダムセレクト」

「.....あぁ、またか...選ぶのどんぐらいかかった」

「たしか、40分って言ってた」

「.....まだましか、どうせせっつかれたんだろ」

「うん、よくおわかりで」

「そりゃあな、でこのスキル構成と職業については?」

「レシーさん.....あぁ、僕の担当AIの人がおすすめを提示してくれて、それを参考にしたよ」

「......なるほどな、多分だがこの称号にも関係するかもしれないな」

「称号?何かあるの?」


 称号について特に気にしていなかったけど、何か付随するものがあったのかな?


「あぁ、地味な形になるが大いにあるんだ。たとえば俺たちがかならず保有する【来訪者】という称号なんだが、これにはスキルとして〈言語理解〉というスキルが付与されるような仕組みとなる。で、俺についてる【冒険ギルドJ級】なんかは冒険ギルドに加入した時点でついたものだ。.....ということを考えてみるとこの【優柔不断】つー称号は恐らく担当AIがつけたもので、付随することがスキルとかではなく温情でこの先を見据えてお膳立てしてくれてるんじゃないか?俺らのところにはついてはいないんだよ」


 なるほど、称号は何かに付随するものがあったのか。

 で、僕のところについている称号のおかげでおすすめスキルをみることができるんだ。知らなかった。


「ということは、割とラッキーなんだ」

「まぁ、そういうことだな.....それ以外にも聞きたいことはあるんだが.....アモルファスってなんだ?」

「それは見せたほうが早いかな?多分どっかで見たかもしれないんだけど僕が最初にスポーンされた姿はこれだよ?」


 といって、最初にスポーンされた立方体の姿になった。


「って、これ草原にずっとあったやつ.....これオブジェクトじゃなかったのかよ。掲示板で話題になってたぞ」

「あ、そうなんだ。でここから.....よっと今の姿になることができるんだけど一応機人族の扱いでユニークタイプらしい。ただね、これ形変えることにかなり難しかったんだ。それで4時間は形を作るのに時間をかけたんだ」

「なるほどな、でもかなり強みがあるな。武器自体は自分自身を変形させて戦うことができそうだし、このスキルレベルならかなりの基盤ができているってことだろ?うまいことすれば奇襲や不意打ちとかが容易にできそうだな。でも魔力関係はなんで必要なんだ?機人族は魔力なんて必要としないだろ?」

「まぁ、そこはアモルファスが矛盾しているらしいよ?ちなみに機人族でも魔法自体は使えるっちゃ使えるらしい。ただ、機械だけあってかなり高度らしい。だけどアモルファスは変形する際に魔力を用いるんだって、だから完全な人型でさえかなりの魔力操作を必要だったみたい。単純に球体とかなら簡単だったみたい.....」


 ほんとに大変だった、多分だけど簡単な形状ならそこまで操作技術を必要としないんだけど関節が多いものや形状が複雑なものに関しては相当の技術が必要になるっぽいんだよね。今のところ大型の形状変化はまだ難しいんだけど、人型までなら操作しやすい。


「なるほどな、多分だがその情報はいまんとこミワンだけかもしれないな」

「どうして?」

「機人族って、基本的に武装展開がメインになってくるんだ。消費自体も自分自身の魔力ではなく、空気中に存在する魔素ってものを機力に変換しているらしい。だからそれ専用のスキル〈機力変換〉っていうのを所持しているらしいんだ」

「へぇ、僕のところにもあったけど気にしてなかったや」

「今度取っておけば?多分だが銃撃を取り扱う際に有利になるっぽいぞ」

「うん、そうしておくよ」

「おう、話をもどすぞ?そのスキルがあるからか、機人族には魔力が必要ないというものからないという答えが見えてきたらしい。だが、ミワンがその気になれば魔法を取り扱えるということは魔力操作のスキルレベルを見てわかる」

「そんなに高いの?」

「あぁ、俺のところにいる魔法使いは魔力は高くても魔力操作自体は高くない。といっても、魔力操作自体が高いレベルで必要としないってのも理由にはあるが.....。それでも推察にはなるが少ないMPで魔法を活用できると考えられているらしいぞ」


 へぇ、魔法も使えるんだ。いろいろと選択肢がひろがるね。



「で、だ。お前はこれからどうする。いったん一緒に狩りにいくか?」

「うん、それもしたいけどとりあえずさ、身分証がほしいから冒険ギルドにいきたいかな」

「了解だ、多分うちのメンバーもそっちに集まっているから一緒に行くぞ」

「わかったよ」



 そういうと僕らは冒険ギルドへ向かうこととなったのだ。







 現在のステータス

 変更なし

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