第7話 こんにちわ、世界......。動けません


暗転後、目の前に広がるのは草原だった。

自分を見ようとするがよく見れない。歩いてみようとしても動けない。まるで何かに取り付けられているような感じがする。


これってもしかして、スライム?

確かステータスで姿を確認できたよね?


「ステータス」


開いてみるとスライム......。ではなく立方体だった。


「いや、四角なんかい!」


とはいえ、なんとか歩けるようにできることなら人型になってみたいんだけど。


『あ、もしもしミワン様?聞こえますでしょうか?』

「えっと、レシーさんでしょうか?」

『はい、レシーでございます。アモルファスになられたということで多少なりとも開設させていただきますがいかがなさいますか?』

「ぜひお願いします。少なくとも歩行可能な状態に!」

『はい、かしこまりました』



レシーさんが言うには、先ほど取っていた魔力操作を活用したほうが早いとこと。

魔力感知を使い、自分の内部の魔力を探す。そしてその魔力を全体にいきわたらせた状態で形をイメージするとのこと。


えっと、これだよね?

漠然とだけど自分の中にある変なモノを感じる。それを全体にいきわたらせる......。いきわたらせる......。難しすぎるんだけど!?これ魔力操作のスキルレベル少なすぎたか!?

とりあえず、少しずつ動かせるようにしていこう。




全然動かないこと2時間......。少しずつではあるものの動かせるようになるころには魔力操作のレベルが18になり、魔力感知は13となっていた。

それしかやっていなかったため、草原の周辺ではいろんなことが起こっていた。


目の前では狼が走り回っていたり、それを狩る人間がいたり......。またスライムが人間を飲み込んでいたり、大きな荷台をもった森人族と鉱人族。


そんな情景を見ながらも一向に自分に向き合う僕......。なにしてんだろうか......。


《今までの行動から〈同化〉を獲得しました》

《今までの行動から〈観察〉を獲得しました》

《今までの行動から〈不動〉を獲得しました》

《今までの行動から〈不殺〉を獲得しました》


なんか、いろいろと獲得できたんだけど......。違う!僕は歩けるようになりたいんだよ。そんなことを思いながらもただ無心になって自分と向き合うのであった。





次第に夕暮れが見られるようになったころ......

ついに......



「人の形をつくれたぞ!!!!!」



人の形を取れるようになった。

すぐさま僕は〈フォルム〉を選択し、空き枠に登録する。

ステータスはこのままでいいか、もともと人型だと思って作っていたやつだし。


登録した情報を確認するためにすぐさまステータスを開く。


名前:ミワン(機人族・アモルファス★ フォルム:人間)

 所属:〖〗

 レベル:0 SP:0

 職業:模倣者

 HP:100/100

 MP:50/50

 STR:22

 VIT:15

 AGI:35

 DEX:50

 INT:40


 AP:0

 スキル

 ・形状操作51↑・形状維持30↑・ストック2


 ・模倣1・反復1


 ・魔力感知45↑・魔力操作53↑・索敵11↑・+観察12・+同化2・+不動17


 ・脆弱:水20

 ・言語理解1


 称号

 ・不定形・ユニーク


 ・+不殺


 ・来訪者・優柔不断


 オプション



スキルレベルが大幅に上がった。特に操作系がすごく上がっている。そりゃそうだ。維持するのはまだ楽なんだけど形を変えるっていうのがかなり難しい。例えるんだったらアルミのキューブを熱を使わず、力技でいじる。これを片手かつ利き手じゃないほうでやっているようなもんだ。......まぁ、知らないんだけどさ。


「にしても、これ普通にやろうとおもってもできないよね?あきらめもんだよね?何やっちゃってんの!?」


叫び散らかしってる僕って間違っていないはず......。

だって、結局4時間はやっていたんだけど!?僕も僕でよくつづけられたよね!?集中しすぎて時間忘れ去っていたんだけどさ。


とりあえず、現実世界の5時間まではまだまだあるし、ようやっと歩けるんだから......。先に行ってみようか。確か、ここら辺にいた人たちはあっちのほうへ向かっていってたよね?


僕は東のほうへ向かっていった。



奥へ奥へと進んでいくと森林部へたどり着いた。

えっと、ここら辺はどこだ?

マップを開いてみると......これ僕が歩いたところしか出ないのか?全く表示されないんだね。


とりあえず、ある程度進んでからきた道を戻ってみよう。

そう考えた矢先、目の前にナニカが現れた。


「あれは......うん、スライムだね」


スライムが現れた。

そんなテキストが出てきそうなぐらいな感じで登場している。


「じゃ、さっそくやってみようかな」


形状操作を駆使して、腕部を剣の形へ変形する。

人型に変形するよりも圧倒的に楽に変えられる。


これが4時間かけた成果だ!!......なんか言っててむなしくなってきたな。


うん、この状態を剣腕としておこう。これぐらいなら〈フォルム〉に登録しなくていいな。

そう考えながら、スライムに対して横一線。


薙ぎ払うと、スライムはそのまま横へ吹き飛んだ。一応は機人族だから硬さが売りの種族なため、相当な威力になった。

だが、まだSTRが高くないからか一撃で倒せるわけでもなく......3度同じように斬ることで、スライムは消え核だけが残った。



その後も、順調にスライム、スライム、スライム、たまに狼が襲ってきたりした。


目の前に襲い掛かってくるから即座に剣腕へ変形することで急ブレーキできずそのまま刺さった。


「意外と便利だな、この体。不意打ちにもってこいだね」


そんなこともあり


《レベルが上がりました》

《レベルが上がりました》

《これまでの行動から熟練度が上がりました》

《レベルが上がりました》



とまぁ、レベルが上がったりした。

ただ、ここまでやって剣術とか不意打ち、奇襲などのスキルを手にすることがなかった。

やはり【模倣者】の影響でもあるんだろうな、そこはおいおい考えていけばいいかな?


とりあえず、ステータスを割り振っておいて。

元居た場所へ戻ってみようかな。


名前:ミワン(機人族・アモルファス★ フォルム:人間)

 所属:〖〗

 レベル:3 SP:15→0

 職業:模倣者

 HP:150/150

 MP:240/450

 STR:22→27

 VIT:15→20

 AGI:35

 DEX:50

 INT:40→45


 AP:3

 スキル

 ・形状操作56↑・形状維持32↑・ストック2(人間・○○・○○・○○)


 ・模倣1・反復3↑


 ・魔力感知46↑・魔力操作57↑・索敵17↑・観察12・同化3↑・不動17


 ・脆弱:水20

 ・言語理解1





観察......相手の様子を観察する。

同化......周りの景色と同化することができる。

不動......動かないことで倒れにくくなる

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