第3話 ようやく世界へ落ちる
陽菜さんからUROのソフトを頂いたあと、足早に自宅へ戻った僕は夕飯を食べると自室へ向かった。
「っと、ソフトをインストールさせている間に説明書を読んでおこうかな」
最近のVRMMOはフルダイブが基本でヘッドギアにソフトデータをインストールさせるため多少なりとも時間がかかるんだよね。
一応デジタル版とかも販売されてるんだけどシェフィールが発売しているソフトは基本パッケージ付きのアナログ販売となっている。
「えっとなになに、インストールされたらまずキャラデータなどを設定します。その後詳しい説明は受付担当AIの方々から受けてください。……これだけなの?!いつもと全然違うなぁほんとに。まぁ、ハズレはないだろうから不安だけど楽しみだな」
と、説明する気のない説明書を確認したあと5分ほど待機するとヘッドギアからインストール完了が知らされる。
「よし、とりあえずインストールは終わったから早速始めてみますか」
そういうと、僕はヘッドギアを取り付けUROの世界へログインする。
ログインするとそこはサイバー調になった白い空間が目の前に広がっている。
そして目の前のあまり生気がないような色白な少女が座っていた。
「ようこそお越しくださいました。こちらはUROの総合案内口でございます」
「あ、どうもはじめまして」
「はい、はじめまして。先に自己紹介させていただきます。貴方様の担当AIを努めさせて頂きます。【名称未定】です」
「め、名称未定?名前が無いんですか?」
「えぇ、私共は貴方様プレイヤー達一人一人についております。そのため担当AIの名称をお決めになられるのも貴方様方プレイヤーにお決めになられるというコンセプトになっております。ですのでまず貴方様には私の名称を決めて頂いて欲しいのです」
「な、なるほど」
本当に今までにない設定だな、と僕は感じそれと同時にプレイヤー一人一人に担当AIが着くということに驚きを隠せずにいた。
膨大な数のAIを設定するのにもかなりのデータを使うというのにそれを諸共しない技術にはさすがシェフィールと言ったところなのだろうか?
兎にも角にも彼女の名前を考えないとね…どうしようか。
あっ、これでいいかな?
「うん、じゃあ君の名前は【レシー】でいいかな?」
「かしこまりました、以降担当AI【名称未定】から【レシー】へ変更致します。以後よろしくお願いします」
「うん、よろしくお願いします」
と、レシーはお辞儀する。
レシーは受付の英訳を一部引用した名前にしてみた。実際は違ったと思うんだけど……まぁいいよね?
「そうしましたら、お次に貴方様のUROにおける名前を決めて頂きます。どのようなお名前を希望致しますか?なお、本作は様々プレイヤーが入り乱れる関係上プレイヤーネームの重複ができない都合がございます。予めご了承ください」
「あ、わかりました」
さて、名前かどうしようかなぁ。
まぁ、いつものにしてみようかな?
「じゃあ、【ミワン】で」
「かしこまりました。ミワン様ですね、重複確認致します。
問題ございません、では以降貴方様をミワン様と及び致します」
「うん、よろしくお願いします」
だいたいいつもこんな感じな名前で通るからいいよね?名前もじっただけだけど。
「では、これから本格的にミワン様のステータスなどをお決めいただきます。少々長いのでご了承くださいませ」
「あ、わかりました」
さて、このゲームの内容がようやくわかる時だね。
と、和宏_ミワンは目を輝かせていた。
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