第22話 奥様は何処その2




私は薄暗い道路を歩いている。


道はあまり整備されておらず、あちこちにゴミなんかも落ちていて、かすかに生臭い臭いもしている。


動物なのか人なのかはわからないけど、うめき声みたいなものも聞こえている。


典型的なスラム街のストリートという感じの道を私は一人歩いている。


待って、私は隣の山形さんのお家に回覧板を届けるために家を出たはず。

何でこんな道を歩いているのかしら?


私の手には防犯対策の事が書かれている回覧板があるが、ちょっと隣へという気持ちだったから財布も持っていないし、家の鍵などもかけてはきていない。


そうだ!

夫のさんちゃんがそろそろ帰ってくかもしれないから、いつでも連絡が取れるように、スマートフォンだけは持っている。


私は急いでスマートフォンのロックを解除して画面を見るが、

電波状況が悪いのか、画面には圏外のアイコンが出ている。


もう少し歩いて電波状況の良い場所に行って自分が今いる場所を調べないといけない。


夫のさんちゃんに連絡がついても正確な場所を伝えられない。

私は、さんちゃんに早く会いたいなと思いながら、足を止めることなく、少しでも明るい場所を目指して歩く。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

FPSゲーム大好きおじさんがゲームの世界に乗り込んだら人生が変わるかもしれないと思い必死で頑張っていく。 鍛冶屋 優雨 @sasuke008

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ