第94話 バームクーヘンは危ない食べ物である
「わーっはっはっはっは!ついに完成したぞ!ブラウンマッシュルーム監修の!!善玉菌が100兆入った魔法のバームクーヘンが!!これを食べると何もしてなくても萌えとキュンで満たされるのである~!」*あるだけください!
人呼んでブラウンマッシュルーム。世界一有名な占い師である。しかし今日は、地下室のラボ(キッチンとも言う)でバームクーヘンを焼いていた。ローブを脱がずにピンクのお花柄エプロンを着けるかわいいの塊、ブラウンさん。
「くっくっく。。これはどこに販売権を与えようか、、。あ、そうだ。草村のスフィンクスの足跡焼き屋さんでとりあえず販売させよう。その前に桃子と夕に食べさせてみるか。」
エプロンを脱ぐと、ブラウン氏は数日ぶりの下界にでた。地下にこもりきりで足腰が弱っているのでスフィンクスの背中に乗って移動。
「ぶらうん~、どこ行くの?(⁎˃ᴗ˂⁎)」
「桃子の所に頼む。お前もバームクーヘン食べてみるか?」
「うん、あーん♪もぐぱく。おいしー!(⁎˃ᴗ˂⁎)」
「かわいいやつめ。どれ、恐くて食べられなかったけどお前が大丈夫なら食べてみるか。。パク。」ングング
その時だった。3階建ての豪邸、梅沢家のだだっぴろい敷地内で、角を曲がった瞬間にかわいいとかわいいがぶつかるという奇跡が起きたのは・・・。
どんっ!
「うわっ!飛ばされたである!!」
「いってー♪(⁎˃ᴗ˂⁎)」
「あいたたた。。な、誰ですかぁ・・・?」
スフィンクスに体当たりされて尻餅をついていたのは、友美だった。
「なんだ、、ブラウンさんでしたか。」
「なんだ、酒屋のバイト娘か・・・。」
顔を見合わせた瞬間、奇跡が二人を結びつけた。
「・・・ん。ブラウンさんのローブが脱げて、、うそ、めちゃくちゃかわいいんですね、、、特に目が、、え?」
「ば、バームクーヘンを飲み込んでしまった!!っみ、水っ!・・・え?」
ああ、運命のいたずらとはこのように・・・。
「「・・・萌え・きゅん・とぅんく・・・。」」
奇しくも、両思いが完成した瞬間であった。
「あ、、えっと、ブラウンさん。ごめんなさい。私が前を見ていなかったから・・・。」
「いや、こちらこそ。道路交通法を遵守していなかった。すまない。」
「あの、久しぶりにお会いしましたけど、、どこへ、、」
「ああ、ちょっとね。桃子の所に所用で。」
「では、ご一緒いたしませんか・・・?」
「う、うむ。そうしよう。あ、」フラフラ
「大変。支えますから、、どうぞ。」
「え・・・。あ、ああ。では、頼む。」
スフィンクスがいることも忘れ、二人は寄り添い廊下を歩く。萌えとキュンに満たされたブラウンは、自分のローブが脱げてしまっていることに気づいていなかった。
伝説の魅了チート持ちである、玉藻前から譲り受けた、魅了の目で友美を見つめる。そして、ブラウンが作ったバームクーヘンは、ただの惚れ薬入りバームクーヘンだった。。
ブラウン(え、好き・・・。きゅん。)
友美(え、すごい好き。。きゅん。)
この二人の恋は、今後じれったく続く予定である。
しかし、今大切なことはそこではなかった。
バームクーヘンを食べたスフィンクスが、草村さんを最初に見てしまったことこそ、最大の問題であった。。
「草村ーーー!しゅきぃ!!(⁎˃ᴗ˂⁎)」
「え、なんですかいきなり。ハーレーで競争しますか?」
「うん。負けないよー?(⁎˃ᴗ˂⁎)」
「草村だって負けませんよ。では行きますよ!」
ドルンドルン・・・ブォォォーーー‼
ヒャッハー‼
この二人の暴走はしばらく続いた。
続く。
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