第69話 究極の遠距離恋愛にぴえんな桃子

 夕はメジェドと神の空間へと旅立ってしまった。いらぬ心配はかけまいと、3日間の間、桃子には夕がいないことをバレないように影武者が用意された。ブラウンが統率する謎の草の者集団から選ばれた精鋭だ。


「草村リーダー。夕様の影武者は、この草岡が務めさせて頂きます。」

「よろしい。あなたなら、背格好も似ているし声色もごまかせるでしょう。言っておきますが、夕様と桃子様は恋人同士です。過剰なスキンシップをしてくるはずですから、上手くかわすのですよ?」

「かしこまりました!味見は致しません。では、様子見で少し会話をして参ります!」


 草岡は完全に夕に擬態して、桃子が執筆している部屋に潜入した。

「桃子?はろー?ご機嫌麗しゅう?」*もう怪しい草岡

「え?は、はろー。どうしたの?」

「どうもしないよ??えっと、あっちで草村さんといるね?」

「うん。・・・っていうか、夕じゃないよね?草の者でしょ?」

「えっ!!?な、なぜ!」

「恋人だもん、わずかな違いでもわかるよ。なんの遊び?夕は?」

「くっ・・・!まさか、こんなに短時間でバレるとは不覚!!どろんっ!」*草村さんのところに走って逃げた。

「なんなんだ、一体。。」


「草村様~!大変です!5秒でバレました!!」

「な、なんとっ!さすが桃子様!一筋縄ではいかないというのかっ!!?」

「ど、どうしましょう~?」

「かくなる上は、、プランBです!聞かれたら素直に白状することにします!!」

「え~!最初からそれでよかったんじゃないですか。。」


 とそこへ現れた桃子。

「ねぇ、草村さん。夕は?(•́ㅿ•̀ )ネー」

「どっひゃぁ!!早すぎるぜ桃子様っ!!草村、心の準備ができてないっ!」

「ん、なんか隠してるの?(•́ㅿ•̀ )ネー」

「どうしましょう、、ブラウン様に報告してからじゃないと、、」

 

 とそこへ現れたブラウン。

「なに?草村。呼んだであろう?(•́ㅿ•̀ )ナニ?」

「どっひゃぁ!!呼ぶ前に来たぁ!」クサムラビックリー‼

「だって急に1人になって寂しかったんだもん。で?(•́ㅿ•̀ )」

「あ、えっと。桃子様に夕様がいないことがバレてしまいました。。」

「なんだ、そんなことか。別に良いんじゃない?おい、ももたん。夕はももたんのために漫画の修行にでかけたんだ。3日だけいないよ!」

「え、そうなの?なんで私に何も言わずに行っちゃったの?(•́ㅿ•̀ )ネー」

「別に?決まったから善は急げって感じでメジェ君が連れてっちゃった。メンゴ‼」

「なーんだ。3日もおでかけかぁ。寂しいなぁ~!じゃ、仕事するねー!」


 スタスタと執筆部屋へ戻る桃子。


「あれ?以外とあっけなかったな。まぁいいか。ねぇ、草村。ブラウン、ふわふわパンケーキ食べたい!」

「かしこまりました、ご用意いたします。それにしても、3日も夕様がいないというのに、大丈夫そうですね、桃子様は。」


 しかし、1人になった桃子。・・・全力で泣いていた。

「なんで?なんでなんで?何も言わずにどっかいちゃったの、、夕。もしかして、私よりメジェ君の方が良くなったとか??さ、さみしいよぅ。。寒いよう、、辛いよう、、( இωஇ )」


 そして、その頃の夕。

「オイ‼夕‼手始メニ、コノアカシックレコードニアル全テノ百合漫画ヲ読ムンダ‼5万冊アルゾ‼」

「えっ!そんなの無理でしょ!!」

「大丈夫ダ‼高速デ読メル魔法ヲカケテヤル‼ビビビーム‼」

「わー!て、手が止まらない!!目が高速で漫画を読んでいくーーー!!!」


 夕ちゃん。こちらの時間にして約1ヶ月で、5万冊の百合漫画を読みあさる武者修行を課せられていた。うらやましいような、めまいがするような・・・。



 がんばれ、夕ちゃん。


 続く。

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