第68話 普通の女の子じゃいられないの!

「助かったよ、、草村。。ちょっと夕を押さえててくれる?ブラウンの目を見た効力を今から消すから。。」

「虫の知らせがあったのでございます。この草村、久しぶりに全力疾走で助けに参りました。やはり勘は衰えておりませぬ。更年期などではございません。」

「更年期って嘘ついたの、まだ根にもっているの・・・?だって、桃次郎の母親が草村に入っちゃってたなんて言えなかったじゃん。。」

「ふん、普段からそのようなイメージを持っているからそういう嘘をおつきになったんです。草村は一生忘れませんよ。」

「ごめんって、、あらよ、ほい!記憶よ消し去れ~!!ちゅどーん!!っと、よし!終わったよ。もう夕を離しても良いよ!」


 草村さんに捉えられた、ブラウンに恋する夕は、ブラウンの魔術によって魅了にかかっていたのを解いてもらえた。


「ん、、あれ?なんで草村さんがいるの??あっ!それで未来は?私と桃子の未来はどうなったんですかっ!!?」

「ふ、それどころではなかったというのに。まぁよい。ブラウンは大人だからね。2千と24歳だから。。せっかくだから草村も聞いてくれ。」


 まず、ブラウンが見てきた未来のうち、このままだとどうなるかが話された。

「このままだと、夕が桃子に見切りをつけて別れるであろう。夕には新しい恋人が出来ていた。桃子は締め切りに追われた孤独な漫画家になっていたよ。。」

「な、なんですって!!わ、私はこんなに桃子を愛しているというのにっ!うそっ、うそよっ!!」

「このブラウンは世界一の魔術師だよ?嘘なんてつくものか。ただし、未来というのはたーくさんあるんだよ。右足から歩くか左足から歩くかだけで、2つの未来が生まれる。だから、数え切れないくらいの未来があるよ。そんで、ブラウンは夕と桃子がめっちゃラブラブな未来に行って、そこから逆戻りして見てきたんだよ。」


「そ、その未来に行く方法を!教えてくださいっ!!」

 夕は涙目でブラウンに懇願した。やっと恋人になれた愛する桃子。その桃子と一緒に居ない未来なんて、どれだけ幸せだろうと望まない。


「ふむ。では、教えよう!少々、難しいかも知れないが良いかな?」

「どんなことでも受け入れますっ!!どうか!教えてくださいっ!」

「よかろう。では教えます。まず夕はメジェ君の指導の下に、漫画家として猛特訓をします。」

「えっ?メ、メジェ君がそんなことまで、、」

「彼は神だからね。帰ったらロマネコンティを供えなさい。上機嫌で指導してくれるだろう。そして、桃子と夕は、二人で一人の漫画家になるのだ!藤子F不二雄と藤子不二雄Aがやっていたようにっ!!」

「な、なるほど!確かに、長い目で考えればそれが桃子の助けにはなる、、。だ、だけど、、そんなにすぐ私が上達するとは、、、」


 その時だった。クルクルクルクルクル‼ピャーン‼

「オマタヘ‼メジェクントウジョウ☆」

「あ、メジェ君!!」

「フフフ、テレパシーが届いたようだね。で、頼めるかな?」

「アア‼カミノセカイニイケバジカンガトマルカラ‼スウジツデユウヲマンガカニシテミセル‼」

「えっ!私、神の世界にいけるの?ふ、普通のかわいい女の子なんだけど、、。」

「大丈夫。キミはもう普通ではない。なんでまだ普通だと思っていたのかそっちの方が不思議だよ。。」

「え!そ、そうなの?Σ(゜ω゜)」

「ああ。じゃあ、さっそく今からいきたまえ。」

「え!今から?も、桃子に言ってから、、」

「大丈夫だ。2,3日くらい、草の者が夕のフリをしてくれるさ。」

「え、ええ。。あの、お願いだから、代わりにいちゃいちゃしないでくださいね・・・?」

「ああ。桃子がいちゃいちゃしようとしたら、草村さんが峰打ちして失神させるさ。」

「え、か、かわいそう、、桃子。。」

「ハヤクカエッテクレバイイダロ‼ジャ、イッテクル‼」


 ブラウンは、雷おこしを1つ取り出すと、メジェ君に放り投げた。パシッ!っとかっこよくそれを受け取ったメジェ君。足しかないのに不思議である。そして、メジェ君の目からでたビームで雷おこしを天に送ると、「神になりお越しください~!」という声が聞こえ、メジェ君と夕は突然消えたのだった。シュンッ‼


「ふふふ、あっちに行けたようだな。夕はこれから約三ヶ月、あっちでメジェ君に漫画家として猛特訓を受ける。しかし、こっちの世界ではたったの3日しか経っていないだろう。」


「さすがです、ブラウン様。では、草村は桃子様のお世話を続けますので。にてこれにんにん!」シュンッ‼


「あ、皆急にいなくなっちゃった。。ブラウンそういうのさみしいな!あ!ブラウン、桃子んちにお泊まり行こーっと!」



 こうして、桃子の知らぬ間に、夕は三ヶ月の武者修行に出かけたのだった。


 普通の女の子だったのにね、夕ちゃん。。


 続く。

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