第64話 ドタバタラブコメですが。なにか。

「メジェ君、、なんだあれは?胃もたれするであろう・・・。」

「アア。ズットアアナンダ・・・オエ‼」


 桃子が江戸時代の桃次郎であった頃の記憶を封印して数日後。ついに桃子は普通の27歳として夕を愛する恋人をそつなくこなせるようになっていた。


「ねぇ、桃子?」

「なぁに?夕♡」

「ううん。呼んだだけ♡(*/ω\*)キャー!!」

「え~₍₍ (̨̡⸝⸝´꒳`⸝⸝)̧̢ ₎₎テレテレ…♡」


「まったく。困ったものでございますよ。この草村がいても、四六時中くっつきっぱなしでございます。」

「そ、そうなんだ。。まぁ、しょぼい別れ方しなくて良かったであろう。夕ちゃんファン多いからね、クレームが来なくて良かったよ。。桃子の奴め、世話の焼ける。。」

「ところでブラウン様。最近よくこちらにお越しですが、なにかお仕事がおありで?」

「ああ、そうなんだよ草村。桃次郎のことで無駄に異世界に干渉してしまったからね。異界の通り道をメジェ君にパトロールしてもらってるんだ。」

「クロールデオヨイデパトロールシテルンダゼ」*メジェ君は足と目しかないので、実はバタ足である。

「草村は今後も、桃子に異変がないか見ていてくれたまえ。」

「かしこまりまして草。」

「ジャオレヒトオヨギシテクルネ‼」

「ああ、頼んだよ。メジェ君。」


 説明しよう。メジェ君は神なので、赤ワインの空きボトルの中にシュッと入ると、異界の通り道を好きに行き来できるのであった。


「フフーン、オレマーメイド‼」バタバタバタ‼

 その時だった。数あるゲートのうちの1つが開いてしまっているのをメジェ君は見た!

「ア、ヤッベ。カミクラブニオコラレチャウ‼」

 メジェ君がゲートを閉めようとしたときだった。

「あーーーー!!なぞの丸い焼き菓子を踏んだらおかしなところへ来てしまったー!」

「エ、ダ、ダレカハイリコンデシマッタノカ‼」


 なんと、その人物は・・・、、桃次郎の母親だった。説明しよう。桃次郎の母は、ブラウンに握り飯を作った代わりに、小判をたくさんもらった。しかし、その中に紛れ込んでいたのだ。現代の100円玉が。。ブラウンに返そうと追いかけ、河川敷に着いたときにはすでにブラウンと桃次郎は現代へ転移したあとだった。


 その場に残っていた魔方陣、、バームクーヘンを踏んでしまった彼女は、異界の通り道に入り込んでしまっていたのだった。


「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!ここはどこー?どこなのー?!」

「アワワ、マズイ。ドウシヨ・・・。ブラウンニキカナイトオレデキナイ‼」

 慌てたメジェ君。神なのにブラウンに聞こうとしたその時だった。

「ア。ワインキレタ。マズイ・・・」

 赤ワインが切れると動けなくなってしまうメジェ君。

「シカタナイ‼イチドツレテカエロウ‼ソウダ、クサムラニテンセイサセテシマオウ‼」


「カモーン‼」

「え、布が喋った!?つ、ついて行けばいいのかしら?」

「ア、ダメ、、モウデンチキレル‼」

「わ、わぁーーーーっ!!!頭がぐるぐるするー!」


 グワングワングワン・・・


 こうして、何とか現代の桃子の家に桃次郎の母親を連れて戻ったメジェ君。最後の力を振り絞って、母親をぶん投げて草村さんの体にぶつけた。


「おわぁぁぁぁぁぁ!!」

「な、何事!!??はっ?うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 頭ゴチーン!

「「にょわーーーーー!!!」」


 同化した草村さん。床に倒れる。その横にはぬいぐるみ化したメジェ君がこてんと動かない。その音に驚いた桃子と夕が見に来たときにはその場は静まりかえっていた。。


「ど、どうしたの!!草村さんっ!!」

「あれ?メジェ君が動かない。急いでワインをあげないと!!」

「草村さんっ!大変、しっかりしてぇぇぇぇ!!!」


 ああ、神がついていたというのに、まだこの2人には試練が待っていようとは。


 そう。来てしまったんだ。夕にとって最大の敵が。



 鬼姑が。



 続く。

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