第62話 皆さんもバームクーヘンにはお気をつけて 

「ブラウン様っ!教えてください!桃子様が前世の記憶を忘れるにはどうすれば!!このままではあの二人は、、せっかく付き合い始めたのにしょっぼーい別れ方をしてしまいます!なんなら明日にでも別れそうな勢いなのでございますよ!?」

「そ、そうだな。そんなことになれば、クレームと嘆願書が押し寄せてくるだろう・・・。やるしかないな。。しかし、桃子から桃次郎の記憶を完全に消すことで、妙なこどもっぽさはなくなるかもしれない。だが、、逆に大人の色気ムンムンになってしまう可能性もあるんだ、、。」

「な、なんてことっ!ではもしかしたら、今まで以上にハーレムを作り出す可能性がっ!!??」

「さぁね。。でももう、これしかないんだ。メジェ君、行くよ?」

「オンブ‼」


 夜。梅沢家。

「あああ・・・ど、どうしよう。。夕が寝室から出てきてくれない。。」

 相変わらず、へそを曲げている夕が寝室に立てこもっていた。桃子は打つ手がなく部屋の前をうろうろするばかりであった。とそこへ。


「桃子様。ただいま戻りました。」

「あ、草村さん。買い物、遅かったね?」

「桃子様。ここは、この草村にお任せください。少し外に出ていてくださいませんか?」

「え、でもっ!・・・わ、わかった。もうどうしていいかわからなかったんだよ、、よろしくお願いします。。」


 桃子はうなだれてそう言うと、ジョギングに出かけていった。


「さて。夕様。今は桃子様はいらっしゃいません。ちょっと出てきてくださいませんか?」

 ガチャ。夕は素直に寝室から出てきた。

「草村さん、、私ね、桃子と上手くやっていける自信がないの、、。あんなに奔放に他の女性と楽しそうにしているのを、、黙ってみているなんて・・・。」

「ああ、おかわいそうに。それは当たり前でございます。あの鈍感女め。良かったら、この草村と少し、赤提灯へと出かけませんか?お話ししたいことがございます。」

「そ、そうね、、。気分転換した方が別れる覚悟も出来るかもしれない。。」

「そこまで追い詰められて、、。大丈夫でございます。私がついていますよ!」


 夕は支度をすると、草村さんと二人で赤提灯の店へと出かけていった。


 しーん。家には誰もいなくなった。

「ぴょこ?」

「ピョコ‼」

 ベランダから様子を伺っていたブラウンとメジェ君。部屋に侵入した。

「良し、誰もいなくなったようだな。メジェ君、桃子を呼び戻してくれ!」

「ワカッタ‼セーノ!カモンピンクスネーク~‼」ピーヒャララー


 どすんっ!!

「うわぁぁぁぁっ??!ヽ(◎Д◎)ノビクッ!」

 突然現れた桃子。ジョギング中にメジェ君によってテレポートされたのだ。

「え?な、なに?あれ、家??ヽ(◎Д◎)ノビクッ!」


「良し、戻ってきたな桃子。これからブラウンと二人で、江戸に戻るぞ!」

「え?え、江戸??」

「良し、えーと。テーブルの上にバームクーヘンを置いて、、描いてきた魔方陣のシールを貼ってっと、、。でーきた。紹興酒の瓶じゃないから、戻ってこれるよ!メジェ君、バームクーヘン食べないでね?これがないと戻って来られないから見張っててね??」

「ワカッタ‼オミヤゲカッテキテネ‼」


「では、ブラウンブラウンマッシュルールルルー♪」

「え?な、なにしてるの?ブラウンさん?!!え、バームクーヘンの上に乗ったらもったいないよ!?ねぇ、ねぇってば、」


 シュンッ!!


 こうして、ブラウンは桃子を連れて江戸に戻ったのだった。


 ちょうど、夕がスナック今夜も乾杯♪にはしごして、うらみますを熱唱している頃、、ブラウンと桃子、、いや、桃次郎は江戸時代の、ある山道に着いたのだった。


 続く。



 

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