第61話 草村機密ファイル②

「ねぇ、草村。もうこの報告書、お腹いっぱいなんだけど、、」

「ダメです、続けます。」


 そうして、あの冷え切った空気の家に帰るのが恐ろしかった私は、少し道草をしたのでございます。道草村でございます。。

 そうもしていられませんので、思い切って帰りますと、思ったより深刻だったのでございます。。


「ね、ねぇ、夕ちゃん??えっと、なんで怒ってるの?」

「別に。怒ってません。ただ、私って、桃子の母親みたいなものなんだなって。恋人じゃなくて、お世話してくれる人みたいな。。」

「オロオロ(・ロ・;))((;・ロ・)オロオロ え、そんなわけ、、私は夕がちゃんと好きで、」

「でもさ、真央ちゃんと一緒に居る桃子の方が楽しそうだったし、、なんかさ。ちょっと考えちゃうよね、、私って愛されてないんじゃないかとか。。」

「そ、そんなぁ・・・。どうしたらわかってもらえるの、、」


 さすがに不憫でしたので、草村は意を決して仲裁に入ったのでございます。

「桃子様、、先ほどのは私でも夕様と同じ気持ちになりますよ?もっと、恋人として夕様を大事になさって下さいませ。」

「え、そ、そうなの?ご、ごめんなさい。。な、なにが悪かったのか、、」


 とこのように、桃子様はなにが夕様の機嫌を損ねたのかわからなかったのでございます。そしてさらなる事件が起ったのは次の日のお昼でございました。


「こんにちはー!ピーチ先生~!進捗のほうはいかがですかー?」

 尋ねていらしたのは出版社の担当の妙様でした。これがまた可愛らしい人でございまして、草村はヒヤヒヤしました。しかし、ダークホースはこの方ではなかったのでございます。。


「あら、妙様。今日のお昼ご飯はハンバーグですよ。召し上がっていかれますか?」

「あ、是非~♪草村さんのご飯、美味しいんだもん。」

「まぁ、お上手ですこと。」


 ここまでは良かったのでございます、、。

「なに!?ハンバーグなのか!?」

「あ!ブ、ブラウン様!!いつの間に!?」

「ん?驚かそうと思ってメジェ君にそっと入れてもらったんだよ。ねぇ、草村?ハンバーグ、私の分もあるかい?」

「あら、残念ですが、もう人数分になってしまったので、、別のものをご用意しましょうか、、」

「そっか。ならいいんだ。。ちょっと食べたかったけど、いや。大丈夫、、。」


 その時です。桃子様が申し出てしまったのです。

「あ、じゃあ。ブラウンさん、私と半分こしよ?」

「え、いいの?」


 そうして、桃子様は夕様の前で、ブラウン様と2人でハンバーグを仲良く半分こなさったのです。その後、夕様は無言で寝室にこもったきり。以降まだ桃子様と口を利いておりません。



「今週の草村ファイルは以上でございます、ブラウン様。」

「え、ブラウンが悪いんじゃん!」

「さようでございます。だから何とかしてくれと。」

「え、えーと。ご、ごめんなさい。。ど、どうしよっかな?」


 とその時だった。

「オイ!ブラウン‼モウシカタナイダロ、アレヲヤルゾ?」

「め、メジェ君!ほ、本当にあれをやる気なのかっ!?」

「ソウダ‼モモコカラ、モモジロウノキオクヲケスンダ‼」

「し、仕方ない、、やるしかないのか、、」


「ブ、ブラウン様、、そんなことが出来るのでございますかっ!?」

「くくくっ、、草村よ。。できないことはないんだ、、ちょっと問題があるだけで、、」

「なっ!!?そ、その問題とは一体っ!!!?」



 続く。

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