第49話 ブラウンさん&メジェ君と仲良くなりたい会の入会希望は締め切りました。第2回募集をお待ちください。

「でっ、出て行ってしまった…。これは…まずい、、やばいっ!お、追いかけないとっ!!」 


 さすがのビビリ桃子も、財布と携帯だけを持って飛び出していった夕を放っておける訳がなかった。震える足でなんとか立ち、家の鍵を握りしめたその時だった。


 コツ、コツ、コツ…ピタ。キィィィ…。

 何者かの足音。玄関の前で止まる。夕が戻ってきたのか?いや、そうではなかった。


「やぁ、ももたん。お困りのようだね。」フフフフフ、ヒーッヒヒヒヒ

「あ、あ嗚呼…、、ブ、ブラウン、、さん…。」


 謎の占い師、ブラウンマッシュルームが玄関のドアを開け、深く被ったローブのフードの中から、にたぁっと桃子に微笑みかけた。


「な、なぜここに?」

「いや、実は夕さんを探し回っている輩をね、、抹殺するまではと、叶のぬいぐるみに盗聴器と目にカメラを仕込んでおいたんだよ。」*抹殺とは、鹿之助を奥さんに突き出すことである。


「そ、それじゃあ、さっきまでの話はすべて…」

「あぁ、聞かせてもらった。何をぐずぐずしている…。桃のジャムにしてしまうぞ?」

「いや、追いかけようとしたら貴方が来たので…。」

「ふふ、まぁそう言うな。冷たくすると泣いちゃうぞ?ブラウン、夕に草の者をつけておいたから、居場所わかるんだけどなぁ〜?」

「えっ!お、お願いします!夕の居場所を教えてくださいっ!!!!」すがりつく桃子。

「あ、やめてよぉ!引っ張らないで!!ローブ!!下はキャミソールなんだから!恥ずかしいであろう!!?あんっ!やだっ!変態っ!!」

「え、声かわいい?そしてキャミ??ブラウンさん、もしかして割りとじょし、」


「ええいっ!うるさいうるさいーーっ!泣いちゃうぞ!いいから!駅前のホワイトアスパラホテルに行けっ!!そこに夕はいる。屋上にヘリコプターを待たせてある。ももたんはヘリに乗って、夕の部屋の窓ガラスの前にロープのはしごを使って近づけ。そして、思い切り素直な気持ちを叫ぶんだ!!もうあとはないぞ!!これを逃したら女じゃないぞ!!急げっ!!」


「は、はいっ!わかりました!ありがとう、ブラウンさんっ!!」ダダダダダ!!


「ふぅ…。行ってしまったか。まったく…鍵もかけずに…。仕方ない、留守番してやるか。」

 ブラウンは、桃子の家に上がり込むと、リビングにあるメジェド様のぬいぐるみに近づいた。


「ふふふ、盗聴器とカメラは取り除いたことにしておこうかね。ね、メジェ君。」


「ウン。マァワインデモノメヤ!!」キラーン


 さて、その頃、桃子はひたすらホテルに向かって走っていた。

「夕っ!好きだと言うね!付き合ってと言うね!たからお願いします!そばにいてくださいっ!一生推すからっ!!」*推そうとしているのが良くない


 ホテルに着くと、桃子は屋上へと向かう。エレベーターに乗り、屋上にでると、すでに草の者がヘリコプターを起動させていた。


 バリバリバリバリバリバリ

 ヘリコプターの音がうるさい中、桃子は近づいてロープで出来たはしごを探した。

「草野さん!はしごを!はしごをください!」

「え、ないですよそんなもの。」

「エッ?!(´⊙ω⊙๑)じゃ、じゃあ、とりあえず夕の部屋の横にヘリを、、」

「いや、いくらあなた方がお金持ちでも、そんなことしたら日本じゃ警察に捕まりますよ?」

「エッ?!(´⊙ω⊙๑)は、話が違うっ!!」

「えーと、とりあえずここで待ってますから。夕さんと仲直りして連れてきてください。そしたら夜景遊泳でもして差し上げますよ。ムード満点ですよ!ウヒヒヒヒ。」

「エッ?!(´⊙ω⊙๑)あ、はい。。」



 全然話が違った、きょとん桃子。

 仕方なく、ホテルの部屋まで夕を迎えに行くしかないようだ。


 ぬいぐるみは喋るのに、ヘリをビルの窓際に飛ばすのは非現実的だと言われた桃子。



 続く。

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