第44話 なんでも出来ると思っていたけど卵も産めちゃうの?
大好きな夕に突然キスをされた桃子。あまりに想定外だったため、一時的に記憶が曖昧に。徐々になにが起きたかを認識しだした朝。
トーストが焼ける、チーンという音と共に、昨日のキスの現実味が湧いてきた。一体なぜ?どういうこと?じわじわとパニックに陥りだした。
「お、お、おぎゃぁぁぁぁっ!!ぴぎゃーーーーっ!!ちょわーーっ!!」
謎奇声をあげて、横に置いていたたまごを落とす。ぺちゃっ。
やっべ、落としちゃったと思いながら、床で儚く割れた卵を片足で跨ぎ、キッチンペーパーを取ろうとした刹那!
「桃子!?どうしたのっ!!?(謎奇声が聞こえたけどっ!!?)」
驚いた夕が桃子とその股下にある割れた卵を見て、さらに衝撃波を受けた!
「う、産んだの・・・(⊙⊙)ファッ!?」
「え?なにが(⊙⊙)ファッ!?」
意味がわからないことばかりだよ夕。。と思った鈍感系タイミングの神、桃子だった。
桃子、鳥類説が梅沢家に浮上したまま、二人は黙々と朝食を共にする。はっきり言って、夕は自分が桃子に好意を伝えたことで一旦満足していた。これから桃子の気持ちを聞き出し、恋人に昇格するつもりではいるが、なんてったって、仕事を辞めたこととか言わなきゃいけないことがたくさんある。
しかし、桃子はパニックのままだった。
(なぜ、夕は私にキスを?そして、返事はあとで良いと言われたが、キスの返事ってなに?か、感想?い、言ってみる?天に昇る気持ち過ぎて本当にあっちにしばらくいたような気がしますって。。に、2回しませんでしたか?って。。)記憶の答え合わせがしたい桃子。
ついに夕が先に口を開いた。
「あの、桃子。話があるんだけど。」
「あ、天国に行きました。」
「え、さっきの卵のこと??食べちゃまずかったかな。。」
「は?ちょっと意味がわからないんだけど、えっと。あ、今日はコンビニのバイトがあるからそろそろ出かけないと。」
「え、そ、そっか。あの、夜話せる??」
「え、うん。あれ、夕もいつもなら出てる時間だよ?遅刻しちゃうんじゃ、」
「あ、えーと。えーと、、実は、仕事辞めたの。その話をしたくって。」
「え?(⊙⊙)ファッ!?」
「話すと長くなるので、、夜聞いてくれる?」
「え、なんでっ?あ、時間っ、ど、どうしよ。。あ、じゃあ。夜必ず聞くから!」
「うん。ありがとう。。」
しばらくして、桃子は後ろ髪を引かれる思いでバイトに出かけていった。
軽く記憶も飛んで、鳥類疑惑が浮上した桃子だけど、飛べない鳥のようにコンビニへ走りながら鳴いた。
「え、え、え、え、え、え、え、キ、キスの返事ってなにぃーーーー!???」
続く。
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