第40話 スーパー桃子がでたからには話がぶっ壊れだした証拠

 ピンポンピンポンピンポンー!!!ピンポンピンポンピンポンー!!!

 高級マンションでピンポンダッシュのようなチャイムが鳴り響いた夜。


 「こわ。何者だ!なななな名を名乗れっ!ฅฅ°́Д°̀))ギャァァァ」怯える桃子。

 玄関を開けると、ただのかわいこちゃんだった。叶だ。


「こ、こんばんは。遅くにすみませんっ!夕さん、お願いです!鹿之助さんの連絡先を教えてくださいっ!!お願いしますっ!!」*どうぞと言われる前に家に上がった叶

「おおちゃん、、もしかして、、樹里さんと何かあった?それとも、樹里さんの転勤を無くして欲しくて??それはいくらなんでも無理じゃないかな。」*待っている間にガムテープで発泡スチロールを桃子に取ってもらっていた夕。背中にガムテープついたままの夕。


 優しく説得するつもりの夕。しかし叶の思惑は違った。

「違います。私、樹里さんについて行くって決めたんです!だから、留学先を探したりしてるんですけど、なかなか良い話が見つからなくって!」

「ええっ?だ、大学は?どうするつもりなのっ!?」

 一度は妹のように可愛がった叶のことだ。夕は本気で心配だった。ウソーン‼


「大学は、休学できるかもう聞いてあります。仮に途中で退学することになっても構いません。だって、樹里さんと二人でいることと、海外で過ごす体験が、大学を卒業することより遥かに有益だと思うし。」

「た、確かに、、向こうでちゃんと勉強すれば、すごい経験値になるかも。。でもじゃあ、鹿之助さんに何をいうつもりなの?今はダメなの!秘書にさせられる可能性があるわっ!!」

「樹里さん、最低でも2年は向こうに行くんです。私が留学先を探していて見つけたのは期間が長くても1年。。だから、、だから、、面接してほしくて!!」

「え?ま、まさか、、」

「もし、樹里さんのエジプト支社でどんな仕事でも人が必要になった時に、私を雇って欲しくて!それを直談判したくて。。」


 考えられること全てをやり抜こうとしている叶。そこまでして、、どんなことがあろうと樹里と離れない決意を見せられた夕。じわりと涙が浮かんだ、その時だった。


「な、な、なんてこトォぉぉぉっっっっ!!!!!けなげなっっ!なんていじらしいんだァァァ!!!」

 先に嗚咽&号泣をしたのは桃子だった。

「も、桃子、、落ち着いて・・・。ごめんね、おおちゃん。この人ちょっと涙腺がおかしくて、、。」


「ぐぬぬぬぬっ・・・なんてことだ。。神様はどうしてこんないたいけな少女にこのような試練をっ!(*神様じゃなくて鹿之助が樹里を海外に飛ばした)

 なんなんだっ!!なぜかわいこちゃんばかりがこんな目にっ!!うぉぉぉぉぉ!!スーーパーーァァァァ!!桃子ォォォォォ!!!

 ドォォォォンッ!!!ᕙ(´◉ᾥ◉`)ᕗ ムキッ

 わかりました!この桃子。一肌でも全裸にでもなりましょうっ!!!」


 そうしてボロボロと涙を流しながら立ち上がった桃子。謎の金持ち美人桃子。無意識転生者のチート持ち桃子。

 電話を取り出すと、1人で部屋にこもってしまった。


 続く。

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