第30話 コンコン、ガチャ。はいこちら母性。か、かわっ!!
実を言うと桃子。コンビニのバイト、SNS、動画配信、ラジオDJと多忙を極めていたあげく、引っ越しの手配と金曜日の会食の台本を作成、さらに夕への恋心で疲労はMAXだった。
内臓タフ女、桃子。滅多にない熱を出した。知恵熱である。
「うーん、うーん、さむいあついさむいあつい~。。。」
「ああ、桃子、、。かわいそうに、、疲れが溜まってたんだね。ごめんね。。」
土日で夕の荷物は大体運び出した。その安堵からか日曜の夜に桃子の体調が悪くなったのだった。
「どうしよう、、食欲はある??」
「わかんない、、あるようなないような。」
「食べたくなったら食べようね?おかゆ作るからね??」
「いやだ・・・。おにぎりがいい。。」
「わかったよ。ひえぴたさんしようね?」
「うん。ごめんね、夕。。ずびっ・・・。」
「ほら、泣かないんだよ?」
「うん。。スンスン」
この事態が急速に夕の母性をくすぐってしまった。。
(か、かわいい・・・。弱ってる桃子、、不謹慎だけど、、めっちゃかわいい。。こどもみたい。お世話しないと・・・。おにぎりが良いって・・・。ええ、どうしよう、、きゅんきゅんするんですけど、、。)
普段は頼られる女でいたくてとことんかっこつけていた桃子。熱のせいで完全に素に戻っていた。
「(母上~)・・・そばにいて~(´Д⊂グスン」
「(う、かわいい・・・)いるよ。一緒に寝るからね?」
「うん・・・。zzz」
(だ、だだだ、だだだだダメっ!熱もないのにこっちがゾクゾクしてきたっ!か、か、かわいい・・・♡私の中のマザーが完全に目覚めてしまった、、。い、愛しい・・・。え、これは紛れもなく母性。。こ、恋なの?母性なの?
私は桃子の彼女になりたいんだろうか、、それともママに・・・?ど、どちらも捨てがたいような、、け、兼任・・・?
だ、ダメ・・・。この新感覚。。目覚めてしまった気がする。。めっちゃお世話したい。。とりあえずご飯はまだ食べられないみたいだし、熱が下がるまで一緒に寝よう・・・。と、となりに入るよ?桃子?わ、体熱い・・・。かわいそう、、ずっとそばに居るからね?安心してね?・・・え?て、手・・・握ってない?握ったよね??あ、ああ、ギュッて、ギュッてっ!!♡)
無意識に夕の手を握りしめた桃子。安心極上ピュアスマイル発動。
「へへへ。」ニッコリ。
(き、きゃーーーーーーっ!!!さ、叫びそうっ!!た、耐えてっ・・・!!ハァハァ・・・。あ、だめ。もう、ママになりたいのかよくわかんないけど、とにかくかわいいっ!!♡)
夕、ちょっとよくわかなんないけど好きが溢れていた。ドバシャー‼
(今の私、、頭痛薬の、、バハリンのCMみたいじゃない・・・?)
*お熱出したこどもを慈愛の目で見つめる母、夕。なイメージ。
このまま2人は、寄り添って朝まで眠った。
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