第29話 冷静パスタがあったら食べたかった桃子
桃子、全力で夕の恋人にふさわしい自分を演じきった会食後。
冷静さを12%まで回復していた桃子は、
「こ、ここまでやらなくても良かったんじゃないだろうか・・・。」
正解に戻ってきていた。
(でもまぁ、、今は夕が働きやすい環境にするべきだと思う。これで樹里さんは安心して夕を部下として受け入れることが出来るだろう。そこは大丈夫だろうきっと。でも、、どう考えてもやり過ぎた気がする・・・。なんでだろう、、あ、好きだからか。あーやっちゃった。。泣きそう!!)
お開きにして樹里と叶に別れを告げると、桃子は夕と自宅に帰るためにタクシーに乗り込んだ。
「あの、桃子?今日はどうもありがとう。」
「あ、あ、ああああ、ええ。。上手くいったならいいんだけど、、。」シンゾウバクバク
「あ、うん。そうだね、、。きっとあの二人は私たちが本当に愛し合ってるって思ったと思う。」
「良かった。。じゃあ、また様子見で作戦会議だね!」
それきりお互い、話すことを止めてタクシーに揺られる。二人とも自分の心の整理がしたかった。
夕の心の中
(え、どうしよう・・・。樹里さんのことは確かに好き。今でも好き。。だ、だけど、どう考えても、、私、桃子のことすごい気になってるって言うか、、いや、好きだなこれは。間違いない。。
だって、彗星のごとく現れて、いつもそばにいて笑ってくれて、二人きりで、、。そしてこんなにもしてくれた今日。。あ、あ、いしてるて、、言った・・・。も、もちろん、演技なのはわかってるけど、、ど、どきどきしししすぎて・・・っ。
桃子とこれから同居するけど、、え、ずっとそのまま二人で、、とか、、考えちゃう、、。もしも恋人だったら?え、楽しそう・・・。え、すごい楽しいんじゃない??ダメだ、、一旦冷静になろう。。お酒飲んでるし、、。ずっと樹里さんのことで辛かったから、、弱ってるだけかも知れないし・・・。)
そう心の中で思いながら、ちらっとバレないように横に座る桃子の顔を盗み見た夕。
(き、綺麗・・・。本当に、、こんなにちゃんとした服を着たら、いつもよりもっと綺麗なんだな。。)
車の窓から外を眺める桃子の軽い横向きの後ろ姿に見蕩れる夕。
しかし、桃子はあまりの緊張と自分がやり過ぎたことに放心して、、白目を剥いて寝ていたのだった。。( º﹃º )チーン
(ねぇ、桃子。私、聞きたいことが1つだけあるの。桃子って、百合の漫画家だけど、、桃子はどうなの??桃子は、、女の子をかわいいと思うだけじゃなくて、、恋愛対象として、、みているのかな・・・。私のことは、、どう思ってるんだろう・・・。)
そうです。桃子は今まで一度も自分の恋愛について夕に語ったことがありませんでした。ほとんど両思いな二人。どうやって心を通わせていくのだろうか・・・。
完璧超人無自覚転生童子の桃子。恋だけは逆にエラーを起こして少し動かすことができた。。
続く。
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