第27話 桃子、恋のエラー5分前
ついに金曜日が来てしまった。
樹里と夕は同じオフィスで仕事をしている。
樹里を迎えに来ていたのは樹里の彼女である叶だった。
「うふふ、おめかししてきちゃった♡樹里のとなりにふさわしいのは私だと、夕さんにしっかり示さないと!樹里もきっと、さらに私に夢中になって、、なんてかわいいんだろう、叶。その服の脱がせ方は・・・?なんて、、♡・・・ん?あれはっ!」
叶が迎えに来るのとほぼ同時に、桃子は夕を迎えに来ていた。実際、レストランで集合という話にしていたが、このまま樹里達の会社の前で集合してしまいそうだった。
叶は以前、泣いている夕を慰める形でこの場所で抱きしめ合う二人を見ていた。だから桃子を顔を見て認識できたが、桃子はまだ叶を知らない。
「うっわ。かち合ってしまった。どうしよ。向こうは私を知らないし、、気づかないふりしてよ。早く来て~!樹里~!!」
そうこうしていると、まずはエントランスから夕が現れた。
「あ、桃子!おまたせっ!!」
うれしそうに桃子に駆け寄る夕。
「おかえり!仕事お疲れ様~!忙しかった?」
「ううん。まだ新人だから、そんなでもないよ♡」
「そっか。お腹空いてるでしょ?美味しいご飯食べようね!」
「うんっ!楽しみ♡」
この光景を見た叶は驚愕した。
(うぉぉぉ!いちゃいちゃしてるやんけーーー!これはまじで好き合ってるんだな。そっか。今日はそこまで気負う必要もなさそうだ。。)
そして樹里がエントランスから現れる。
「あ、叶!おまたせっ!迎えに来てくれてありがとうね?」
「ああああん!♡おかえり樹里たん♡お迎えうれしい?叶に会えて嬉しいのね?♡」
負けず劣らずいちゃいちゃする叶。
「うん、、って、あ。夕ちゃん、、と桃子さんですね。こんばんは。」
すぐ近くにいた二人を見つけた樹里が声をかけた。
「こんばんは。初めまして、桃子です。夕とお付き合いさせて頂いてます。」
「お噂は聞いています。本当に、、お綺麗ですね、、。」
桃子、夕が恥ずかしい思いをしないようにと、ドレスアップしてきていた。デビっていた桃子夫人。
一行は、徒歩5分の場所にある高級イタリアンへと移動するのだった。
桃子は勝負所だと息巻いていた。
この二人の結びつきがどこまでなのか、見極めてみせる。
そして、夕がどのくらいまだ、樹里と付き合える可能性をもっているのかも。
この舞台。失敗するわけにはいかない。。
桃子。エラー5分前。
続く。
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