第25話 貴方が港だから私は航海に出られるの
数日後。桃子は真理にたどり着いていた。
「やはり間違いない。夕こそ我が運命の人。ダウジングも振り切ったし。」
桃子。あらゆるおにぎりを買い漁って食した結果、涙が出るトラウマは克服していたが、、味がしなかった。
「夕のおにぎりこそ、マイディスティニーである証拠。もう、、あれしか食べたくない。」
さて、どうしたものか。夕には無償の愛を与え続けると決意していたが。されど、離れることなど出来ない。ずっとお側にいさせて下さい、お嬢様。。
「困ったなー、困ったなー」
ピンポーン
「あ、夕が帰ってきた!はぁーい♡」
「ただいまー。あれ、桃子。今日はなんだか機嫌が良さそうだね?」
「え、そう?うん、真理にたどり着いたからね!」
「そうなんだ?あ、そうそう。あのね、樹里さんとおおちゃんが、4人でご飯食べに行くのオッケーだって。」
「え?あ、ああ。そうか、属性を見極めるって話ね。でもそうか。4人でなんだね。夕はその樹里さんの彼女がいても大丈夫なの??」
「うーん、わかんないけど、、私には桃子がいるからなんとか大丈夫かな?」
桃・古賀・海豚・裸・・・??
ん、なんて?えっとまずはおしぼりどうぞ。アツシボデス。
「金曜の夜でもいいかなぁ?」アリガトアチチ
「あ、うん。イイヨー。」ホゲー
無我。精神統一。阿字観。なにも感じません。(・_・)スン
「ね、ねぇ、夕・・・・??」
「なぁに?桃子。」
「えっと。今日は泊まっていく??」
「うん、そうしたいけど、、着替え持ってきてないなーとか。ここにいるのが楽しすぎて、つい家に帰りたくなくなっちゃうんだけどね。えへへ。」
ラーイドンタイ、ラーイドオンタイム、桃子~!!今だろ今~!!
*桃子を鼓舞するハカが始まった。
「わ、桃子が謎の足踏みを・・・っ!?」
「夕。こうなったら、もう。一緒に住まない??」
「え、それは、、ルームシェア的な・・・!?」
「うん、そう。部屋なら余ってるし、私たち、仲が良いし。私の仕事の手伝いもしてくれるなら家賃なんていらないし。」
「え、そ、そんな、ただで住ませてもらうわけには、、でも、桃子と一緒にここに住みたいとは思う!」
「じゃあ、こうしましょう。家賃はちゃんともらいます。その代わり、私は夕に仕事を手伝ってもらってアルバイト代を出す。コレでどう?」
「わ、わかった!うん、うれしいっ!!」
「あ、あと、、お願いがあるんだけど、、」
「なぁに、桃子。なんでも言って??」
「お、おにぎり。たまに作ってくれる??」
「なんだ。そんなのいつだって作るよ。かわいい、桃子。こどもみたい♡」
そう言って、夕は桃子の頭を優しく撫でた。その時、桃子はまたじわっと涙を溜めてこう思ったんだ。
(前世とかで、、お母さんだったんじゃないかな、、夕って。)
真実はわからないが、桃子は夕と同居する幸運を手に入れた。
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