第24話 今は見守る。そしていつか。

 バイトが終わると、桃子(27)は真央(17)に恋の相談をしていた。近くのカフェのフラペチーノで釣った。


「実は、夕に恋をしました。ガチ恋でござる。」

「え?なぜ今更?前から好きでしょ?丸わかりだったけど??」

「いえ。前までは、真央氏や晴氏を好きなのと同じで、推しを愛でる好きだった。しかし今は、自分の気持ちが特別な人に向けた愛であることに気づいてしまったのでござる。」

「ねぇ、そういう話し方だったっけ?桃子さん。。」

「あ、もうA面もB面も使い分けできなくなってしまった・・・。これが、、恋の病・・・。(´Д⊂グスン」


「いや、桃子さん、気づいてないだけで夕さんのこと好きだったと思うけどなぁ。」

「なんにしても、夕は想い人がいるから、、私は応援しなきゃ。」

「うーん。そうかぁ、、難しいね。大人の恋って。でもさ、私と晴が付き合う前もお互いの気持ちがわからなくて手探りというか、なかなか好きって言い出せなかったよ?」

「そうなの?どんなきっかけで付き合いだしたの??」

「え、聞きたい?♡」


 じゃあ、真央、イキマス。


 ああ、あの頃のことを思うと、今でも胸が苦しくなる。いつからだろう、、高校一年で私たちは同じクラスになって、だけど一緒にいるグループは違っていた。。私は、物静かでクールな、晴のことを気が付くと目で追っていて、、うふっ、、晴も私のことが気になっていたんだってあとから聞いた。よく目が合うなって思ったんだよね。


 だけど、、お互いに友達がいるから全然仲良くなれなくって、、見ているだけの恋だったの。。晴の後ろ姿、、髪の毛、手の動き、、いつも焼き付けるように見ていたんだ・・・。そして私たちは、2年になってクラスが分かれてしまった。。

 あの時は、、神様なんていないんだ、運命なんてないんだって、、部屋でよく泣いてたな。。でも違ったの。私たち、、クラスが分かれたからこそ、一緒にいたいって強く思えた。そしてそして、あああっ♡ 晴って、、かわいいの。告白したくて、でも勇気がなかったって。それで、ラブレターを・・・。でゅふふふふ・・・♡手紙で告白してくれたの。あ、なんて書いてあったかは、二人の秘密にしてって晴が言うから、、たとえ桃子さんでも言えないわ♡とにかく、素敵だった。。


 私たち、それで付き合い始めて、、お互いに好きすぎて、好きで好きで、、初めてのキス、、初めての・・・そう。。すべてが、、ファビュラス・・・♡



「以上です。」

「素敵・・・。」桃子、号泣。


「わかったよ、、真央氏。私、目が覚めた。」


 今はまだ、夕と樹里さんの恋の行く末を見守る、そう。見守り地蔵のように。

 だけどいつか、もしも私が夕と恋をするというステージに上ることができたなら、、その時は、、そうその時は、、


「一生、夕のおにぎりが食べたいんだな。」って

 やっべ。これは画伯になってしまうΣ(゚ロ゚;)


「一生、貴方のそばで、恋人としていたい。」

そう言おう!!


 桃子。ガチ恋=一生だったピュア。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る