第23話 愛は人を成長させるのだ
夕、樹里と働き出して2日目。
お昼の休憩中、夕は樹里と会社近くの洋食屋でランチを食べていた。
(今朝の桃子、変だったな。あんなに泣いて・・・。心配。。)
夕は桃子がなぜ泣くのかわからなかったため、とにかく心配だった。
「どうしたの?夕ちゃん?食欲ない??」
浮かない顔をしている夕を樹里が心配し始めた連鎖。
「あ、ごめんなさい。桃子、、あ、恋人が今朝、ちょっと元気がなかったもので、、気になって。。」
「今朝・・・。そっか。それは気になるね?」
「あ、はい。。えっとそれより、あの、樹里さん。おおちゃんとはその、上手くいってますか?」
「え、ああ、うん。すごく順調だよ。叶はまだ学生だから、同棲まではいかないんだけど、なるべく一緒にいようってことで、ほとんど私の家にいるんだよね。」
「そうなんだ。。私も同棲ってわけではないんですけど、いつも恋人の家にいます。そっか。あ、あの。私の恋人をよかったら紹介したいなって思ってるんですけど。」
「え?……そ、それは、なんで??」
「あ、あの、おおちゃんも、安心するだろうし、、樹里さんも、、普通に接してくれるかなって。」
「いや、私はもう、なんとも思っていないし、普通に接してるつもりだけど…。」
「あ、えっと。もしおおちゃんが良ければなので。考えておいてください。」
「あ、うん。わかった。」
(私に恋人ができて、、樹里さんは何とも思わないんですか?)と、口から出そうな夕だったが、桃子の顔が浮かんで何とか言わずに堪えた。
それよりも、、今朝の桃子の涙のほうが気になって。
その頃、桃子はコンビニで忙しく働いていた。欠勤が出たため駆り出されたのだ。早朝から夕方までの勤務となった。報われない片思いをしている桃子にとって、忙しく働くことは雑念を払うのにちょうどよかった。
そして午後になると、学校が終わった真央がバイトに出勤してきた。
「桃子さーん!やっほー!」
「真央氏。おはよう!」
「さっき聞いたんだけど、桃子さん、朝からシフト入ってるんだってね!私来たから休憩入っていいって店長が。」
「ありがとう。ではお言葉に甘えてそうさせてもらうわ♡」
「うん、おつかれさま~・・・って、え?!桃子さん??」
「ん、なあに?」
「なにって、、桃子さん、おにぎり補充してるけど、、大丈夫なの??」
「ん?ああ、私、おにぎりのトラウマ、克服できたの。愛によって。。」
「え、なにそれ。すごいおもしろそう。あとで聞かせてね?」
「愛より勝るものなんて、、何一つないのよ。」
「わかった。そうだね。えっと、休憩してきて?」
こどもが大人になったような桃子だったが、夕への愛によって、大きな成長をしていた。ちょうど、真央くらいの精神年齢くらいには。
続く。
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