第21話 好きな子に好きなの秘密で一緒に寝たことある?

 大変です、母上。

 桃子は、桃子は、、推しのかわいこちゃんと同衾してしまったわけで…。

 

 何たる不手際。漫画家ともあろうものが、自らが主人公しか得られないような役得を得てしまった…。そしてそして、、一晩クラってしまいました、推しの横でその体温、時折触れる体、、聞こえてくる寝息…。それらを総合いたしまして私が導き出した結果を今、ハッキリいたしましょう。だって桃子、正直な大人だもん。


「すみません、ガチ恋してしまいましたっ!」ババババーン‼


 こちら現在、朝5時。少なくともあと1時間は寝ていられる状況です。しかしながら、すでに一睡もできておりません。隣の令嬢はおそらく現在の脳波はシータと思われます!深く寝ていると思われますっ!何ならちょっと触っても起きないと思いますっ!(>人<;)


 その姿、、控えめに言っても、、控えおろう!このかわいこたんをどんなだと心得る!!めちゃくちゃかわいいっっだぞ!あーかっわいいっ!!

 隣で寝てるーー!!え、かっわいーーー!すごっ、ちょっとちらっと見ただけでバクバクするーー!えーこわーい!かわいいが寝てるよ!こわいよぅ!!


 ごめんなさいごめんなさいっ!!恋、してしまいましたっ!!


「ん、んんっ…。」ごろん、、


 わーわーわー!夕ちゃっ!寝返り!!なぜこっちっ!?!?え、ほぎゃーー!顔ちっか!近っ!まつ毛様~~~~!!ばっさぁぁぁ!!孔雀かーーい!!


 す、好き…。I LOVE 夕…なんつって。寝不足きっつ…。泣


 っていうか、、ほんと。どうしよっかな。

 これからも、夕の恋を応援しないとだし。こんなに信頼してなついてくれて、、頼ってくれて、、一緒にいたい、ご飯食べたい、同じベッドで寝たいって、、え、すごくね?勘違いしてもおかしくないよね??


 今まで、なんでこんな小悪魔さも秘めた天使とずっと二人きりで平気だったんだろ??


「私、、自分のことちょっと天才って思ってたけど、、違ったみたい。どっちかっていうと、変態。」


「ん、?・・・・・・桃子??起きてたの??今、何時??」

 

 あ、やっべ。起こしちゃった。


「夕、起こしちゃった?まだ寝てていいよ?もう少し寝られるから。」

「うん、、ねぇ、二人で寝ると、寂しくなくっていいね。。それに、、あったかい…。」

 桃子。刺さっていた恋の矢がめり込んだ瞬間であった。メリメリメリコミ


「くっ、、どこの誰が何のために、、こんな試練を私に…。もう、勘弁してください…。」

「え、なぁに?あれ?泣いてる??桃子??」

「…泣いてなんかないやい。私、朝はヨガするから、先に起きてるね…。」

「うん、、ちょっとしたら行くね、、。スゥ…」


 パタン。

 静かに寝室を出た桃子。キッチンへと向かい、ミネラルウォーターをグラスに注ぐと、ゆっくりとそれを飲み干した。。


「好きなんて、言えるもんですか。」


 桃子、人のことはなんとでも応援できた。

 しかし、自分のことになると超がつくビビりだった。 


 秘めてみせます、この想い。ザザーン‼

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