第19話 メトメデツウジアウ~ きゃー色っぽーい!!!

 夕飯を食べ終わると、夕は今日一日のことをゆっくり話し始めた。

 桃子、ノートパソコンで速記体制に入る。秘書検定1級。


 夕はまず、新しい職場に入るなり想い相手である樹里に会うことが出来た。そして、教育係として樹里が仕事を教えてくれることになったこと。会議室に呼び出されて二人きりで話したことを語った。


「会議室で、、私が桃子と付き合ってることを知ってうれしいと、祝福してくれたの・・・。嘘なのって、、喉まで出そうになった。このまま信じられて、、完全にただの知り合いになっちゃって良いのかなって、、不安になっちゃって・・・。」


「そう・・・。でも言ってしまえばまた前のフラれただけの女になって、、余計に難しく、、」

「そうだよね、、。だから大丈夫。言わなかった。それでね、会社の仲間として、普通に接したいって言ってくれた。うん。やっぱり桃子の言うとおりだったと思う。前のままだったら、あの人は自分が会社を辞めてでも、、私と会わない選択をしたかも・・・。」

「ああ、辛いね、、。話してくれてありがとう。。でもそれは、夕が嫌いだからじゃないね。ただ、彼女の為ってだけで。」

「うん。真心というか、優しいままだった、あの人。今はもう、自分の勘なんて信じられないけど、、でも、愛情のある温かい目だったと思う。」


 桃子は速記しながら考えていた。カタカタカタカタ、タターン!!

(うん。私はその人がこっちを見ているのを気づいていたからね、、。あの顔は、まだ未練のある顔だ。時間はそれなりにかかると思うけど、、でも夕はまだ可能性を失ってなどいない。)


「ただ、ちょっと。1つ気になることがあるんだけど、、」

「ん?なぁに、桃子。」

「あのさ、」


 い、言えねぇ。でも気になるし大事なんだよね・・・。

 夕って、その、どっち?って。多分、抱かれる方だよね?って、、

 なんで気になるかっていうと、相手の人を見る限り、、相性が完全に良いのかなって。いや、見た目でわかるものでもないんだけど、、さすがにこのピーチ様の眼力は普通の域ではないのよ・・・。


「えっと、夕は、彼女を見て、どんな風に胸が高鳴る??」

「・・・うーん、高鳴る?えーと、素敵って。あの人と一緒に居たいって思うかな。」

「そっか。えっと、抱いて?って思う?抱きたいって思う??」

「え、ええっ!?・・・そ、そんな、、えっと、だ、抱かれたい、、?」

「あのさ、樹里さんって、どっちって思う??」

「どっちって?」

「あ、あのね、、百合、、そうだ、百合だ!」


 桃子は自身の数々の作品から、一番夕に適したテキストを一冊見繕って読ませることにした。


 数十分後、、


「な、なるほど・・・。桃子、、お、教えてくれてあ、ありがと・・・。」

「気を確かに。。まぁ、ひどく属性が合わない可能性は限りなく低いの、、ただ、夕がその、抱きたいという気持ちを今後持つのかはちょっと気になるかなって。。」

「あ、あーーーーーーーーー。ご、ごめん。わからん。。」

「だよなーーーーーーー;( ˙꒳​˙ ;):」


 では、検証してみましょう。


「ちょっと、私がベッドに仰向けで寝るから、上からこの絵コンテみたいにしてくれる?」

 わずか1分で描いた、女の子が仰向けで寝ている上にそれを覗き込んでいる女の子が、、の絵コンテを夕に見せる桃子。人気百合作家。この絵コンテは高値がつくだろう。


「わかった、、私が桃子を覗き込む感じね、、えっと、では、こうかな、、」

 桃子の上に跨がり、身体をかがめて桃子の顔に近づく夕。


「・・・・・・・・・・・」

「ど、どう?」

「えっと、、近いから、すごくドキドキするけど、、」

「あ、じゃあ、反対もやってみよう。」

「あ、うん。じゃあ、寝るね、、」


 なにやってんだこの2人。もうそのまま好きなようになっちまえよと百合の神様は思ったことだろう。がしかし、この方が面白いことになったのだった。


 夕がベッドに仰向けになった。そして、ゆっくりと、桃子が上から見下ろし、その綺麗な顔を近づけていったときだった。。


「っっっ!!あっ!!ひゃっ♡」

「え、ああっ!ご、ごめん!だ、大丈夫??」


「あ、ああっ・・・えっと、どうしよう、、こっちの方が、、、すっごいドキドキを・・・。」

「あー確定だねー。」


 つまり、もし今後、夕と樹里が良い雰囲気になったとして、、樹里が手を出してくれないと進展がないわけで、、。


「な、なるほど、、樹里さんがどういう人、、属性なのかってことね・・・。」

「まぁ、、多分、まったく同じではないと思うんだけどね、、見た目ではわからないものなのよ案外。。会って話せばわかるけど、、」


「あ、じゃあ、紹介すればわかる??」

「・・・な、なんですと?」

「会って、確かめて??お願い、、」

「え、あ、はい。。」


 と言うことなんだが。。


 もっと重要なことが隠されていたんだ。。


 桃子。


 桃子、夕に覆い被さり、激しい動悸、そして10万馬力の電流を全身に走らせていた。ア〇ムと同じだ。ちなみに1馬力=大体、0.7457kwです。弊社雑な調べ。



 どっどどどどどd、、動悸が、、止まらんでござる・・・。バクバクバクバク

 わ、わかっていたはずだ、、己の属性を・・・。だ、だめだったあんなことを試しては、、なんて失態・・・。ぼぼぼ母性が・・・煩悩へと、、塗り替えられて往く・・・ア、カワガミエル・・・


 すんごい意識し始めてしまった瞬間だった。


 そして、実は夕も・・・?


 へへ、どうかな。

 

(ムーゴンー)

(イクジナーシ)

 ネー!!

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