第16話 違いますまだハーレム展開なんかじゃな、

 桃子が生涯従事したいほど推しているお嬢様枠の夕と自撮りショットをゲットした翌日。桃子は安定にコンビニでアルバイトに精を出していた。


「ハァ・・・なんでありますか、、この我が輩の胸の苦しさ・・・。」ケロロ

「どうしたの?桃子さん?ため息なんかついて・・・。」


 は、いかん。我が輩、こんな幼子に心配をかけてしまった。(真央高2経験済み)


「な、なんでもないのよ、ちょっと、新しいストーリーにつまずいていて・・・。」

「そうなんだぁ?私と晴で役に立つならいつでも言ってね?」


 ああ、なんて天使のような子なんだ。。この子も保護対象でござる。。必ずこの子がウエディングドレスを着るまで守り切る・・・。あ、晴ちゃんはウエディングドレスかしら、、以外とタキシードがいいとか言いそうな・・・♡


「あ、そうだ!今日、うちに来ない??私の漫画のステッカーが出来たからあげたいの♡」

「え、本当に??行きたい行きたーい!♡」


 桃子の腕に無邪気に抱きつく真央。普段なら動悸息切れの鼻息荒いモードになる桃子だったが、、


「ふふ。真央ちゃんが私のこどもだったら楽しかったろうな♡」

 慈愛に満ちていた。ちょっと様子がおかしいのは、、やはり昨日の自撮り&あのかすかに触れた・・・(アナタノイナーイ・・・ワタシモイナーイ)くちびる。。


 バイト後。桃子は真央と自宅へ。後から晴もやってきた。

「あ、ねぇねぇ、3人でゲーム配信してもいい?」

「え、うそ!桃子さんの動画に出ていいの!?」

「うん、顔出ししないし、声も変えるから大丈夫♡」


 3人はつい、楽しみ過ぎた。楽しくて楽しくて、ゲームしながら騒ぎまくった。

 時間をつい、忘れちゃったはははは・・・。


 ピンポーン

「あ、桃子さん、誰か来ちゃった!」

「え、亜・・・あああああっっ!!!」


 やばひ・・・ゆ、夕が来ちゃった・・・。そ、そうだ、つい、、時間を忘れてしまった・・・。あ、どうしよ。この状況、、じょ、じょぉしこぉうせいをぉう!!連れ込んでいるぅぅ?桃子という犯罪者確定申告!!??あばばばば


 桃子の高性能コンピューター脳は瞬時に解決策を叩きだした。ポクポクチーン


 ガチャ

「おかえり、、夕。。」

「ただいまー♪お邪魔しまーす♡」

「あ、うん。さてと。夕。今日はとっておきのゲストを用意したわ。」

「え?誰か来てるの??」

「そう、貴方の為に、、お呼びしてあります。百合カップルをぉぉぉ!!」

「え、ええ!!??ど、どういうこと?」


「さ、お入りください。そして、真央ちゃん、晴ちゃん。出番よ!!」

「え、ゲーム終わり??」


 あ、やっべ。動画配信しっぱなしだったヾ(◎o◎,,;)ノぁゎゎ


「・・・・・・・ということで。疲れた。。えっと、こちらは夕さん。私のストーリーのヒロイン。そして、こちらが真央ちゃん晴ちゃんカップルよ。」


夕「あ、よろしくね、真央ちゃん、晴ちゃん。」

真央「こちらこそ、、えっと、桃子さん?出番って?」


桃子「貴方たちにお願いがあるの。私がこれから指示するきゅんストーリーを演じて見せて欲しいの。」

晴「きゅんストーリー?」

桃子「そう。百合で最も尊い百合展開を貴方たちに演じてもらって、そこから夕ちゃんに咄嗟に強くなるために学んで欲しいってわけ。」

真央「まぁ、面白そうだからやるけど。」


桃子「では、さっそく。ストーリーの場所は社内よ。真央ちゃん達は学校だと思っていいわ。そして、2人は廊下を急ぎ、角を曲がる。そしてぶつかる。真央ちゃんは書類を胸に抱えて、晴ちゃんは何も持たずに、真央ちゃんの肩を思わず掴んで支えるっ!」


真央「楽しそう!じゃあ、やってみるね!ね、晴。」

晴「うん、真央が夕さんの役でしょ?」←察し良し

真央「晴の役はだれ??」

桃子「夕がときめいている先輩ってことでよろ。」

晴「わかった。演劇やってみたかったんだ。」


 では、スタート。


 キッチンからリビングへ歩く晴。そしてそこへエントランスからリビングへ小走りする真央。


 たたたたたたっ・・・・、どんっ!

真央「あっ!!いったっ・・・」

晴「うわ、、だ、大丈夫?」

真央「あ、ご、ごめんなさい、、不注意で・・・その、、」

晴「痛くなかった?怪我はない?」

真央「あ、は、はい・・・。あ、あの、、か、肩が、、その、、」

晴「あ、ごめん。って言うか・・・華奢だね、、こんなに細かったっけ・・・?」

真央「いつも、、抱きしめているのに・・・わからなかったの?」

晴「うん、今、もっと確かめていい??」

真央「うん、、晴・・・ギュッとして・・・。」


 すみません、演技どこ行った??


 あ・・・・・・ごめんなさい。好きが込み上がってしまいました。。


桃子「う、うん。えっと、ごほん。とりあえず、こんな感じね。こういうシチュエーションがこれからいくらでも起り得るわ。今から、とりあえず30パターンを書き出したから、全て2人にやってもらいます。」


真央「うへぇ、、まじ?まぁ、楽しいからいいけど。あ、でも時間・・・。」

桃子「あ、もうそんな時間ね、、じゃあ、続きはまた今度で。」


 というわけで、高校生2人は桃子がタクシーに乗せて帰宅させた。タクシーのナンバーと運転手の名前は控えた保護者桃子。ぬかりはない。


 やっと二人きりになって、、


「急でごめんね夕。えっと、お腹空いてるよね、、今日は私が作ったおかずを食べましょう。」

「あ、うん。ね、ねぇ、、桃子?」

「あ、なに?ご飯より麺類とかがいい?」

「ちがう、、ねぇ、なんで、あんな若い子達と知り合いなの・・・?その、家に呼ぶくらい仲が良いってことでしょう??」

「あ、ちょっと仕事先の子で。え、どうしたの?なんか変だけど、。」

「なんでもない。。」


 桃子は鈍感系主人公に寄っていた。初めて選択を間違えたかもしれない。。


夕(なーんだ、、私だけじゃないんだ。。家に、桃子が呼ぶのって・・・。へぇ・・・。)


 夕は典型的なヤキモチ妬きだった。


 しかし、数日後には、、夕は想い人のいる会社へと、、。


 続く。

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