第8話 きらびやかに百合の種を振りまく桃子

 今日でバイト3日目の桃子。

 ついに真の姿を隠さずにバイト先に出勤した。シフトは桃子、店長、そして高校生の真央である。


「おはようございます♡」キラキラフワリ

 桃子がコンビニの玄関からタイムカードのあるレジカウンター内へと入ろうとすると、店長に不審者か盗人のように扱われた。


 桃子、転生前の最後が盗賊に襲われていたため、めちゃくちゃ正義感が強く悪を嫌う質がある。

 泣きながら店長に謝罪を要求した桃子。


「ご、ごめんって。でも桃子さん、変わりすぎててわからないよ…それじゃ…。」

「まぁ、先に言わなかった私も悪かったです。では、着替えてまいります。ぐすん。。」


 店長は困ったことになったと思っていた。モブ店長(35オス)、桃子を見た瞬間、美人局にあったトラウマが蘇るとともに一目惚れをしていた。そして、桃子がレジにいたら普通の営業などできないのではないかと、、桃子目当ての客が列をなすと予見していた。


 その予見通り、桃子は女子高生の羨望を浴びてスターになった。


「お姉さん、すっごく綺麗ですね!♡」

「桃子さんって言うんですか!?私、桃子さんに会うために通います!♡」

「え、ええっ!?こんなところに夢にしか見なかったお姉様がっ!!」失神

「あぅっ・・・・!!!♡♡♡」失神


真央「す、すごい・・・。でもわかるなぁ。桃子さん、本当に綺麗だもん。」

桃子「やだ♡そんなに褒められたら照れりゅ♡でもでも!真央ちゃんのほうが私の関節を全部どろどろにするくらいかわいいよ?♡」

真央「そ、そうですか、、?なんか嬉しいな♡」


桃子「あ、そうだ!プレゼントがあるの♡」

真央「え、なんですか?」

桃子「真央ちゃんと晴ちゃんの素晴らしき百合に、、彩りをと思って、、」


 桃子は自らの百合同人誌を山ほど真央に渡した。ずっしり。


真央「え、ええ?あ、こ、これは!!ピーチ@顔バレごめんなすってさんの!!??」

桃子「あらひゃだぁ!知っててくれたのね♡」

真央「え、ええええ。。ピーチって、、桃子さんの桃なんですか・・・。」

桃子「うん♡今度、晴ちゃんと二人でおうちに遊びに来てね♡私、貴方たちをモデルに作品を作りたいわ♡」

真央「わ、わぁ・・・!私、ずっとファンだったの。。感激です・・・!♡」


 桃子、エルフの森をあっけなく陥落していた。


(ふふふ。ここは百合畑。妄想し放題、そして恋のフラグも豊潤でござうଘ(੭ˊ꒳​ˋ)੭✧)



 そして、桃子の同人誌はフリーペーパーの棚に「女子高生限定」と書かれて無料配布されることとなる。その同人誌のあらすじは、完全特別版の、綺麗なお姉様と女子高生がコンビニで出会い、恋に落ちる話だった。



 桃子、ぬかりのない子。

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