第7話 桃子、新しい仕事と推しを見つける
バイトの翌日。
真央の母性の海に溺れた桃子は、真央が通う女子校の前にいた。
「今日は二人ともバイトがない日であるから、ここでばったり会ったことにしてでーとに誘うでござる。」
ああ、今の私・・・BGMはまちぶせにして、、そうね、CMはポカリかキットカット辺りね・・・。出演するなら芸名は変えたい。ごめんなすってはちょっと違うなって。
桃子はCMオファーが来ることを夢だと思っていない。有名人なので割と現実的にあり得る話だった。
今日は、、綺麗にしてきたの、私。一番、高校生に人気のある香水とブランドの服の中からなるべく大人でも着られる服を着て、、憧れのおねえたんをキャッチコピーにしたわ。。かわいいパンケーキのお店も予約してきた。。
もう、かれこれ校門の前の道を20往復はしたわ。そろそろじゃないかしら。
桃子は見た目は素、話し方は擬態をセレクトしていた。
「あ、ああ!来た♡ま、真央ちゃんっ!!」
キラッキラのお姉さんが女子校の前を手を振りながら走り出した。女子高生達は目を奪われ、誰もが悲鳴をあげそうなほど桃子に強い好意を感じたときだった。
「え、だ、だれ?」
「え、真央の名前呼んでたよ?知らないの?」
真央は隣に女子高生を従えて、桃子の擬態なしの姿を見て知らない人だと思った。
「あ、しまった。てへへ。この姿は見せてなかったね♡」
「え、その声、、もしかして、、?」
「うん。桃子だよ?」
「え、ええええっ!?ちょっと待って??全然違う・・・。」
「これが本当の私なの。驚かしちゃったかしら♡」
ふふふ、釘付けであろう?もはや、お姉様、、妹にしてください♡と言うセリフは叩き出せたも当然。。
「で、誰なの?」
「あ、ごめん。晴。この人はバイト先に最近入った人で、桃子さん。」
「あ、バイト先のね。どうも。真央がお世話になってます。」ペコリ
「こんにちは♡お友達?♡」
(え、デートに誘うんですけど、この子と帰るのかしら、、)
「あ、ええと。桃子さんならいっか。私の彼女なんです。晴です。」
「・・・・・・ぽて? 今なんて?」
「付き合ってるんです♡驚きましたか?」
桃子。出会って3回目に会って数分で、片思いは崩れ落ちた。
「な、な、な、そ、そう。あ、・・・わ、私、これからあの、、そ、そう、、パンケーキのASMR撮らなきゃいけないから・・・。ま、またね、、真央ちゃん。。」
「あ、はい。っていうかめちゃくちゃ綺麗なんですね、、びっくりしたぁ。じゃあ、また!」
カクカク歩き出した桃子。反対側へと歩いて行く真央とその彼女を振り向いて見送る。
あ、、手を繋いでる、、。しかも恋人繋ぎだ・・・。あ、頭、こてんって寄りかかったりしてる、、。本当にあの子と付き合ってるんだ・・・。
しょ、しょ、しょ、衝撃・・・!!
「萌えーーーーーーー!!!!!!!!」
推せるっ!尊いっ!!歓喜である!大歓喜でござるーーー!!!
ああ、尊ひ。。これはこれで推せる。。
私はあの百合カップルをこれから、、全力で愛で推します。。
桃子は片思いをしかけていたが、ただでは転ばなかった。
「晴ちゃん。。クール系ね。かわいい♡」
その後、桃子の動画チャンネルは1つ増えて、パンケーキのASMRがエロすぎると話題になり、また収益が上がった。
なんて強運な子。
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