第5話 ああん、フラグがぎっしりすぎて困っちゃうよ♡

 桃子、失業&有給消化中に女子高生の集う(はずの)コンビニでアルバイトを決めた。またしても強運体質の桃子は、近所の女子校の下校時間からのシフトの欠員補充として大歓迎された。


 2日後、桃子はバイト初出勤していた。


「ドキドキ♡エルフの森に迷い込んだハーレム男になれるかな?」


 桃子は迷っていた。誰もが振り向くであろう自分の素の容姿で働くか、地味子に擬態するか。それと話し方もだ。ござるでいくか、語尾ハートで行くか。とりあえず、面接してくれた店長が気づかないといけないのでおさげ眼鏡では来てみた。


「おはようございまーす。あ、あー!」

「ほわっ!貴方はっ!こないだのレジにいたきゃわいいちゃん!」

「え、すごい、もうシフト入ってるんですね、、」

「うん。今日からなの。よろしくね♡」

「よろしくお願いします。私、真央って言います。そこの女子校です。」

「真央ちゃんっ♡よ、よろしく。私は桃子って呼んで?」


 桃子、10歳年下の先輩が出来た。背が小さめの茶髪セミロングちゃんである。


(あああ!か、かわいいんじゃないかい?これは、こないだまでよりもしかして尊いんじゃないかい??肌とかなんか、、ベビーパウダーのCM以来見てないくらいすべっとしてるんですがっ!)


 キャッ(/д\*))((*/Д\)キャッキャッ(/д\*))((*/Д\)キャッ

(こ、これはっ・・・持てるチートを惜しみなく出しておくべきか?次からは素顔で来よう・・・。)


「じゃ、桃子さん。品出しとか教えますね?」

「う、うん(●´艸`)ヾ」

「これ。このへんは、こうやって、ばーっとやったらぱぱぱーってしてトントンってしてください。」


(ぎゃわいいっっっ!説明下手かよっ!)

「うん♡わかった♡」

(あーやっぱりここにして良かったぁ!!)


 そうこうしていると、下校する女子高生達が徐々に来店し始める。ゾロゾロ


「いらっしゃいませ。」

「い、いらっしゃいました、ついに・・・。」

「え?」

「あ。いらっしゃいませ~♡」


(ふおぉぉぉぉ!!す、すごい。生女子高生がこんなにっ・・・!!間近で拝めるとはっ!あ!あの子達は部活ね、ジャージにスカートって今思うとすっごい♡)


「真央~!おつかれー。来たよ~♪」

「あ、みんな。遊びに行くの?」

「うん、今度休みの時は一緒に行こーねー♪」

「うん。またねー」


(こぉぉぉぉっ!!これはぁぁぁ!真央ちゃんのお友達までもっ!)


 ハァハァ・・・。

 これから・・・楽しみでしかない。でござる。。



 桃子、筒状のプラスチック容器にぎっしり入った爪楊枝なみに年の差ラブのフラグを立てたバイト初日であった。 




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